奪還すべし! -中編-
新八「どこ!?ここっ!ι
こんなとこ、早く出なきゃっ!ι」
ダッ!!
ベッドから飛び出し、走り出す
新八「Σあっ!
あそこに扉がっ!!」
ガチャ…
扉に手をかける
新八「え…ι」
ガチャガチャッ!!
新八「なんでッ!!
なんで、開かないわけ!?
どうしよ…ι」
ドンドンッ!!
新八「誰かッ!!
誰か、開けてくださいっ!!
誰かッ!!!」
ドンドンドンッ!!
扉を激しく叩きまくる
新八「誰かっ!!誰…」
がちゃ…
部屋の奥の方から扉が開く音が響く
新八「え?
……だ、れ…‥?」
スナックお登勢
-外-
坂本「………」
高杉「………」
桂「………」
神楽「…マジ‥アルか…?」
妙「…けど、私たち実際に見てるし…ι」
近藤「…山崎。
ちゃんと、こういうのは報告してもらわねぇと、とっつぁんに殺されるよ…ι」
山崎「すいません、局長。
俺も今、知ったとこなんスよね…ι」
九兵衛「まさか、こんなものが空に…ι」
土方「おい、総悟。
サディスティック星から迎えが来てんぞ。」
沖田「冗談言わねぇでくだせェ。
あれァ、土方さんとこのマヨラー星人が城ごと来ちまったんでさァ。」
銀時「バカ言ってんじゃねぇ…ι
‥なんだよ…ι
なんだよ、ありゃああああああッ!!!!!ι」
お登勢「店の前で大声出すんじゃないよ。」
銀時の大声に眉間にしわをよせて店から出てくる
銀時「大声出したくもなるっつーの!!ι
なんで、ババアは驚かないんだよっ!!ι」
お登勢「何でって、もう知ってるからさ。」
妙「え…?ι」
九兵衛「もう…」
桂「知ってる…」
銀時「だとォォォッ!!??ι
いつだよ!!ι
いつ、知ったんだよ!!ι」
お登勢「うるさいねぇ。
今日の朝頃だよ。」
土方「Σ朝ぁ!??ι」
お登勢「なんだい。
あんたたち、テレビ見なかったのかい?」
妙「えぇ…ι
朝から銀さんのところで新ちゃんの誕生日会してたんで…ι」
銀時「で、なんで空に城が浮いてんだよ!!!」
お登勢「なんでも、どこかの国の王子様が10年ぶりに、ここに訪れたらしいよ。」
神楽「王子様アルか?」
近藤「10年ぶり?」
お登勢「詳しくは知らないけど、10年前に何か危ない事があったけど、この町に助けられたみたいで、ちょうど今日が10年前の今日だから来たってテレビで言ってたねぇ。」
山崎「その王子様の顔とか分かんないんスか!?」
お登勢「テレビでは見たけど、どんな顔かなんて、あんたらにどうやって説明すんのさ。
でもまあ、顔は良かったねぇ。
さすが王子様だ、あれは美形だったよ。
ちょいとツリ目だったかね?
まあ、私の好みじゃないけどねぇ。」
神楽「美形って、ここにいる男共よりアルか!?」
お登勢「こいつらと比べちゃあ、王子様が可哀想さね(笑)」
妙「お登勢さんっ!!
じゃあ…、じゃあ、その王子様の名前って、もしかして…ι」
お登勢「ん?名前かい?
えっと、確か…‥」
お登勢&妙
『如月、龍真‥。』
お登勢とお妙の声がハモる
妙「Σ!!!
(合ってる…!)」
銀時「…なんだって?」
ぐいっ!!
銀時「Σおわっ!!」
首根っこを掴まれ、ひこずられる
銀時「Σいでででっ!いでっ!ι
おい、コラッ!
なにしやがんだ!!ι」
妙「行くわよ、みんな。」
九兵衛「妙ちゃん…?」
神楽「姐御…??」
近藤「お妙さん?」
土方「行くってどこにだよ。」
妙「もちろん。
新ちゃんが居るところに決まってるでしょ♪」
ニッコリと微笑む
空飛ぶ城の中
新八「……だ、れ‥ですか…?ι」
奥から歩いてくる誰かに怯えながらも、たずねる
龍真「あれ。
起きたんだ…。」
上半身裸で近寄って来る
新八「Σあっ!
あなたは…!!」
龍真「やっと、思い出した?」
新八「玄関のとこで、いきなりキスしてきた変態!!」
龍真「・・・・・・・・」
新八「あんた、裸で何してんですか!
よっぽどの変態なんですねっ!!」
龍真「上が裸なのは、さっきまでシャワー浴びてたからだよ。
汗かいたから。」
新八「どうですかね。
いきなりキスして、連れさらった人の事なんか、信じられませんね。」
キスされたことを思い出して、恥ずかしくなったのか、頬を赤らめながら睨む
龍真「酷いな。」
新八「酷いのはどっちで…
Σちょっ!!!」
ぎゅうっ!!
龍真「俺のこと、信じられない…?」
新八「Σなっ!!///」
困った顔をしながらも、どこか嬉しそうに新八を胸に抱き締める
龍真「新八…。」
新八「ちょっ、ちょっと、離してくださっい!///ι」
龍真「はい♪」
恥ずかしがってる新八を見て、満足したのか、言われた通り抱き締めている手を離す
新八「シャ、シャワーを浴びてた事だけは信じますよっ!///ι」
顔を真っ赤にして離れる
龍真「ほんと?
なんで信じるの?」
新八「なんでって…///ι
に、匂いで、分かり‥ましたから///」
消え入る声で答える
龍真「クスッ…。」
新八「……////ι
そ、そんなことより!//
早く、ここから…」
龍真「ねぇ、新八。
約束…、忘れたの‥?」
新八「?、あの!
人の話、聞いてます?
早く、ここから帰してくださ…」
龍真「一緒に約束したこと、本当に思い出さない…?」
新八「…は?
や、約束??
なに言って…」
龍真「新八が忘れて、思い出さなくても、俺は確かに覚えてる。
あのとき、新八も喜んでた。」
新八「え?ι
なに言ってんですか…?
僕が喜ぶって…ι
一体、どんな約束…‥」
龍真「今度会ったときは、はなさない…。」
新八「Σ!!!!
それって……ι
夢と…、同じ……ι」
そう真剣に言われたと同時に、夢で見た少年の顔と龍真の顔が重なる
銀魂-ぎんたま-⇒