R-18


さて、じゃあ始めようか。
そう紡いだ唇の赤が、酷く印象的だった。














「ひ、い゛っ」
「痛い?痛いよねぇ、そりゃ」
「あ、…っ、折原、首相…!」
「だーめ今は臨也、でしょー…えいっ」
「あ゛!痛て、えっ」

にっこりとほほ笑む、折原首相。
目の赤もそうだが、やはり少し薄い唇の赤に目がいく。
今は、そんな状況ではないが。
そう思い、秘書である彼――平和島静雄はびくりと身を震わせた。

今、静雄は酷く屈辱的な格好を強いられている。
細めの縄で両手足首を左右にまとめられ、大きく足を開いた状態で上司である男に凌辱されているのだ。
仕事中である為にその格好はスーツなのだが、もうほとんどシャツが腕に通っているだけとなっている。そんな姿も、この状況を酷く卑猥に思わせた。
先程から折原は静雄の尿道に何らかの細い管を通すのに躍起になっている。というより、酷く楽しそうにそれを奥へ奥へと通している。
静雄としては、異物を雄の中に入れられる痛みと違和感に身を震わせるしかない。
どうあがいたとして、この男から逃げられるわけがないという事を知っているからだ。


「あ、やっぱりシズちゃんは素の方が可愛いねぇ」
「うるせ…っ!ひ、い゛っ」
「いつも堅苦しく眼鏡でスーツ、真面目そうに敬語……首相、なんて呼ばれて思わず勃っちゃいそうだったよ」
「こ…っ、この変態っ、あう!」
「あ。やったあ、入った」

奥まで入ったことを確認し、折原は至極嬉しそうに顔を笑顔に歪めた。
その表情に静雄は悪寒を覚えたが、もう遅い。
もう、折原の指は静雄の秘部を貫いていた。きつい其処は酷く引き攣りながらも、何度も慣らされた形に成っていく。
乾いた指に何度も擦られ、静雄は自由の利かない格好で恐怖を感じながらも快感を得て涙を流す。
ぽろぽろと、それは落ちても留まらない。幼い子供の様に泣くことが悔しくて、静雄は血が出る程に唇を噛み締めた。

「あーあ、ほら血が出てるよ」
「う…っ、く…!」
「かわいー、シズちゃん…あ、もう良いかなー?」

もう良いかな、ともう一度言った折原は静雄の腰を捕まえて、自由の無い静雄の良くほぐされた其処を愛おしそうに一度舐めた後に。

「いただきまーす、っと」
「ひ、あ゛あ゛あ゛っ!痛い、痛ァア゛――――ッ!」
「ゆっくり、息して…ほら、」
「無理、無理ぃ…っ、あううう」

何度しても慣れない行為。
貫かれる圧迫感に、引き攣る内襞。静雄は先程とは比にならない涙を溢れさせ、それを我慢することなど頭から失くす程に一心不乱に声を上げた。
絶叫、というより悲痛な悲鳴。
それを聞き、寧ろ折原は恍惚な表情で容赦なく腰を振りたてる。

「あ゛ぐ、!ふ、はぁああ…!」
「ほーら、慣れてきた…」
「ひぁうっ、ふあっ、」

だんだんと慣らされた其処は、折原を受け入れ始める。
そこからの快楽を知る静雄は朦朧とした意識の中で、うっとりと。
色に堕ちた表情を見せた。
それを見た折原は、至極嬉しそうな顔で静雄を戒めていた縄を解いた。
解放され、静雄は迷いなく折原の背に手を回す。まるで、早く動けとでも言う様に。

「分かってるって…っ、く」
「ひんっ、あぁあああ……っ!」
「きもちい…?シズちゃん、」
「き、気持い、…っ、臨也、ぁ…っ」

堕ちた君は、何て綺麗。
名を呼ぶ君は、何て愛おしい。

折原は、迷いなく唇を重ね、静雄が望む通りに激しく攻め立てていった。





















「……首相、」
「え、なあにー?シズちゃ」
「今は秘書です。これから会議ですから早く支度を」
「えー、まだ良いじゃん」
「………」

会議室のソファでくつろぐ折原。その隣には静雄。
全く離そうとしない腕に掴まれたまま、静雄は早くと急かす。
だが、そんな事を聞くわけもなく首相は「まだ」を繰り返した。
静雄は、使うのは第二会議室で良かったと思いながらも子供みたいな主張に溜息をつく。


「…じゃあ、あと10分ですよ」
「やったー!じゃあ、膝貸してー」

嫌という言葉も聞かず、折原は静雄の膝に頭を載せて目を瞑る。
しばらくすると寝息が聞こえてきた。全く、10分では無理そうだ。
そう思って、静雄は息をつく。

独占欲が強いこの上司に目を付けられ、やっとこの仕事にも慣れた。
仕事をしている時の違いに驚いたが、今は折原が素顔を見せるのは自分だけだと思い、それが寧ろ誇り…だなんて思えてきている。

首相に毒されたか、と呟く。
すると、会議室の扉がノックされる。

「はい、どちら様で」
「私よ。会議が少し遅れそうだから連絡に」
「ああ、そうですか……」
「気にしなくていいわ。いつもの事じゃない」
「あ、はい」

それじゃ、と言った第二秘書の波江は素っ気なく帰って行く。
静雄は波江で良かったと呟き、安堵のため息をついた。

ま、これなら時間を気にする必要もねえ。
そう思って、寝ている折原の頭を撫でて。

「………好き、だぜ」

そう小さく呟けば、ふと返事があった気がして静雄は一度だけ笑った。

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