20110704
日記で書いたこねた



今日はかなりの雨です。ばけつをひっくり返したような、って、まさにこれ。そんなわけで、バトンにあったお題をちょいと。


「雨」で、小説を書く方向けお題。といいつつ詩でも絵でも漫画でも、続く言葉を考えるだけでも。タイトルにしても作品内に文章を使っても可。お好きなように。


・雨が好きな理由
(吉崎綾)
あまりにも毎日雨が続き、毎日のように体育館で基礎練習をしていた部活のある日、アマネが突然「もうやだ!」と、叫んだ。毎日毎日筋トレばっかでもううんざりだ! だから雨なんて嫌いなんだよ。じめじめむしむしベタベタするしマジ最低! そんな文句を一気に吐き捨てた彼に「俺は好きだけど」と何気なく呟くと「はぁ? お前おかしくね?」と、意味のわからない否定をされた。
雨が好きな人間なんて確かに少ないだろう。けれど一応こうしているのも事実だ。理由は簡単、落ち着くから。部活もできないし、靴は汚れるし、傘をさすのも面倒だけれど、静かに落ちる雨の中、部屋でくつろいでいるのは、何故か落ち着く。雨音は微かなものだが、外のセカイの雑音を掻き消してくれる。
体育館に響く雨音の中、俺はゆっくりと一人のセカイに身を委ねた。


・キスの雨
浮かばないからなしで。マノとかかなぁー?


・雨が降る度思い出す
(相生恭治)
きっとこれが知らない人間だったのなら、俺はこんなに鮮明に記憶していないんだろう。それどころか、声をかけることもしなかっただろう。おかしなやつがいるな、程度に考え、彼女を避けるように遠回りをして校舎に向かったかもしれない。


・ひとり雨音を聞く

アマネ、って名前を告げると、たまに「雨好きなの?」なんて聞かれる。きっと大抵の人間が、一番に雨音って文字を思い浮かべるのだろう。
正直、雨なんて好きじゃない。なんていうか、暗い気持ちになるから。綾は好きだといってたけれど、あいつはインドアだからじゃないだろうか。雨の中、一人がひとつの傘をさして下校してるところを見ると、人間ってやっぱ一人なんだよなぁ、なんて、普段以上に暗いことを考える。
玄関先で空を見上げると、一面の曇り空から雨がとめどなく落ちてくる。小さくため息を吐いて、バッグを肩に掛けなおしていると、「傘、忘れたの?」という声がした。藍依だった。
「よかったら入る?」
「いや、いいよ。走って帰るし」
「ホントに? 家も近いし……」
「マジでいいって」
断ると、藍依は少し考え、傘を閉じた。そして傘を押し付けるように俺に渡して、黙って帰っていった。
藍依だから断ったわけじゃないのに、なんて内心藍依に言い訳してみるが、本心はやっぱり彼女だったからだろう。あの近い距離で、体を繋げているわけでもない時に、何を話せばいいのかわからなかった。気まずい空気が流れるのがわかっていた。
渡された傘の置き場を探したが、もちろん玄関先に置いておくわけにはいかないし、わざわざ部室に持っていくのもおかしい。そこまで意地になる必要はないんだけど、あんなに強く断ったのにその傘を使うってことに、ちょっとばかりの抵抗があった。
もちろんささない傘を持って帰るのが一番おかしいわけだから、諦めて開いた。誰も俺の傘じゃないことなんて知らないのに、なんとなく気まずい。二人で帰るのとは違う気まずさがそこにはあった。
空から落ちる水滴がビニールを伝って流れていくのを見つめながら、俺は思った。やっぱり、雨なんて嫌いだ。


・雨の日だけの約束
(柊遊馬)
「ねぇ、近くまで送ってくれない?」
ある雨の日、そう頼んだのがはじまりだった。俺は基本的に傘を持ってこないから、毎回それを理由に適当な子に声をかけてたんだけど、彼女が待っててくれるようになってからは、それもなくなった。
「いつもごめんね」
「ううん」
「とかいって、傘持って来る気もないんだけどさ」
「ふふ、知ってる」
彼女は笑って、少し大きめのビニール傘を開いた。
二人で並んで、歩き始める。当たり前のように待ち合わせて帰るこの光景を、端から見れば恋人同士のようだろう。雨の日限定なんだけど。
「やだねぇ、じめじめして」
梅雨の季節のまっただ中は、登下校が面倒で仕方がない。けれど彼女は「そうかな?」と、俺に同意してはくれなかった。
「わたしはこの季節、好きかも」
「そう? 雨、好きなの?」
一拍おいて「うん」と答えた彼女は、何故か恥ずかしそうにしていた。


ご意見ご感想など
→うわぁ、中途半端!わたしは雨が好きです。じめじめするけど、音も風景も好き。家や車の中で雨を眺めるのって落ち着く。


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