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とりあえず管理人なので先にポーンと貰ったやつ投げまーす(※二回目) ************* 君の両親が、突然いなくなった日。 素直で快活だった君はその日から変わってしまったね。 幸せそうに両親と笑っていた君はもういなくて、部屋に閉じ籠って涙さえ見せなくなった。 僕が話しかけても、遊ぼうと言っても、目すら合わせてくれず、返ってくるのは無言の拒絶だけで。 いつも目を奪われた、綺麗な銀の瞳は暗く濁ってしまった。 やっと元気になったと思ったら、君は嬉々として僕を傷付ける様になった。 まるで他人を傷付けることで、自分の辛さが軽減されるというように。 毎日、毎日、誰も見ていない場所で。 でも君は、僕の心を傷付けながら、笑ってるくせに、僕よりも誰よりも痛そうな顔をするんだ。 泣いている僕を見て、楽しそうなのに苦しそうで。 嫌だったのに、大嫌いになっていたのに、いつの間にか愛しくなってた。 笑ってよ、心の底から笑っていてよ。 そんなに寂しそうな顔をしなくても、僕はいつでも君の側にいるよ。 どんなに傷付けられても、僕以外には気付かれないくらいほんの少しだけど、心配そうにしてくれる君がいるから。 そんなに不安にならなくても、ちゃんといるよ。 僕は君を置いていかないよ。 だから、もう泣かないで。 そんなに自分を傷付けないで。 ふわりと頭に触れると、君が僕を追い詰めているはずなのに、びくりと体を震わせる。 そんな君に、そこまで人を恐れる君に愛しさが溢れて、頭を撫でつつ抱き締めた。 「……カイ?」 「…アル。 僕は、いなくならないよ。 君のずっとそばにいるよ。 だって…僕は君の、君は僕の、大事な家族だから」 「……………っ」 1つだけ嗚咽を溢して、君は声を上げて初めて泣いた。 泣き止むまで抱きしめて、手を繋いで一緒に帰った帰り道。 「…………約束だからな」 「うん、約束。 僕たちはこれから先…」 「「ずっとずっと、家族だ」」 * * * 「でね、アル。 あっちの図書館は蔵書数は少ないけど、貴重な文書がたくさんあって…」 「おいカイ、ちゃんと前見て歩け。ぶつかるぞ」 レジスタンスに入ってから久しぶりの、二人だけで過ごす休日。 僕のリクエストで、図書館を巡って歩く。 休日の街は、祭りでも近いのか、いつもに増して賑わっていた。 「えー大丈夫だよ……あっすみません…うわっ」 「お前ただでさえはぐれやすい……ってああもう!」 ぱしっ。 「……アル、何も手まで繋がなくても」 「こうでもしないとお前はぐれるだろうが! まだいくつも回るつもりなんだろ?」 アルは僕の片手を掴んだまま、人混みをずんずんと進んでいく。 「……………変わったなぁ」 「あ?なんか言ったか?」 今は隣じゃなくて、少しだけ前を歩く幼馴染み。 でも、いつだって側にいる、大事な大事な僕の家族。 「……ううん、なんでもない」 「何笑ってんだよ……変なやつ」 今は遠い遠い、初めて手を繋いだあの日。 君は覚えていないかもしれないけど、あれは僕たちが家族になった特別な日。
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