短編 | ナノ


へばっちゃう


猛暑日、というわけでもない。
どちらかと言えば今日は涼しい方だ。

なのになぜこんなに暑いのか。

理由は薄々判っているが、それを理由だと認めたくない。
認めたらこの先ずっと暑さを背中を占領している住人のせいにしてしまいそうだから。


『エースくん、背中にのしかからないで。重いから。いろんな意味で暑いから。君の存在が暑いから。ていうかなんで私の部屋にいるの。なぜなにゆえ。』


嫌になって言ってみる。
だが離れる気は無いようだ。


「酷ぇ、そういうこと言うのかよ名前は」
『言うに決まってんだろうが。百歩譲って重くないとしても暑いんだよ、熱いんだよ。まだマルコ隊長の方が熱くないよ。火傷しないよ。』


なぜそんなに暑くもない日にこんな暑い思いをしなければいけないのだろうか。
苛々から口も悪くなる。


『(辛すぎる…)』


そんな思いが、ただでさえ暑いのが苦手な名前の脳を支配する。

とりあえず肘鉄を食わせてみた。
「ぐふっ」って苦しむ声に一瞬ビックリしたが、ちょっといい気味だとも思った。

それでもやっぱり離れない。もはや不思議だ。


『エース、なんで私にはりつくのー?他の隊長方の方が冷たいと思うよ』
「んー?お前が好きだから。」


よく大きな声でそんな事が言えるな。恥ずかしくないのだろうか。


『暑さで脳がやられたんじゃない?ナースさんから氷嚢貰ってきてあげようか?』
「なんでそうなるんだよ。素直に喜べよ。」


いやいや、本当はすごく嬉しいですよ。

なんてことを言ったら調子づくと思ったのであえて言わないでおく。


「素直に喜べよーっ!!」
『あはははっ!!ちょっ、馬っ鹿やめてよエース!!すっごい嬉しいよ!!だからやめてっははっははは!!』


擽り攻撃を受けた私と、やった本人があとでへばっていたのは言うまでもない。





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前に書いたカク君夢のエースverみたいな感じに…(´Д`)
残念な脳しか持っていなくて申し訳ないです。



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