伝わる体温
※夢主病んでます。
辛い、苦しい、怖い、
庭に出て、池を眺めながら頭に浮かぶのは負の思考ばかり。
そんな状況に知らず知らずと涙が溢れてくる。
ふと見た庭の池に映る自分の顔が情けない。
泣いていることが周りにバレないようにと、顔を埋めるように膝を抱えて蹲るかたちになる。
小さくなって更に小さくなって、もし最終的にこの世界から消えていなくなることができたら、どれだけ楽だろうか。
「気分でも優れないのか?」
後ろから、落ち着いたトーンの声が鼓膜を揺らす。
『筧さん、いらしたのですね』
声の主の方を向くと、やはり大好きな人だった。
その瞬間、今自分は貼りつけたような笑顔なんだろうな、と頭でぼやーと考えながら、落ち着いた声の主の質問をはぐらかす。
ふと彼の顔を見ると、どこか寂しげな顔をしていた。
私はそんな表情をする彼に耐えられなくなり、また顔を埋め、黙り込んだ。
すると彼は私の傍に座り、その大きな手で縮こまった私の背中をゆっくりと擦る。
「すまんな、某にはこれくらいしかできない。」
――なぜ謝るのだろうか、貴方はちっとも悪くないのに。
そう思うと、慰めてくれている彼にものすごく悪いことをしているような気がしてならない。
「無理して笑うな。泣きたければ素直に泣けばいい。」
『はいっ…。』
やはり彼は優しい。人がよすぎる。
擦り続けてくれる手と、男性らしい声音で放たれる優しい言葉にまたぼろぼろと涙が零れる。
――どれほど泣いたのか、
涙が涸れるくらい泣いて疲れきった。おまけに頭も痛い。
「落ち着いたか?」
泣いている間ずっと側に居てくれた筧さん。
上田にいる時間がさほどないから、彼だってゆっくりと休みたかっただろうに、私のせいで台無しにさせてしまった。
『ごめんなさい、筧さん。せっかく上田に帰ってきてるのに迷惑ばかりかけてしまって…。』
思っていたことを小さな声で言うと、先程まで背中を擦っていた手で、頭をぽんと叩かれた。
弱い力だったが、頭が痛い今だとちょっと響く。
「気にしすぎだ。某から声をかけたのだから迷惑ではない。」
そう言う彼は、今度は髪を梳かすように頭をゆっくり撫でる。
その手から伝わる体温が妙に心地よかった。
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病み期に書いたから意味不明\(^q^)/