溢れる牛乳
名前
『惚れたんです』
その言葉を言うとなぜか皆、固まった
(惚れた!?)
(誰に!!)
『野球に』
「へ、野球」
監督の裏返った声が静かな室内で響いた
『はい、野球に惚れたんです。それと』
(うわー良かったとか思ったのは俺だけじゃないよね)
(ぷふぁー)
(期待しちゃたよぉ)
「(青春は始まらないのね)それと?」
「失礼しまーす」
カチャリとドアを開けて入ってきた彼女に歩み寄って
『篠岡、ち、よちゃんと友達になりたかったんです!!』
「!?」
誇らしげに鼻を鳴らして、何がしたいのか自分
「私ですか!ってアレルカちゃん」
『な、私の名前知ってるんですか!!』
「知ってるよ!中学一緒だったもんね。それにかわいいから!」
『か、かわいいって………千代ちゃんの方が可愛いよ…天使だよ。ほわほわだよ』
あぁ可愛いよ千代ちゃん可愛いよ。会話なんてしたことないのに名前覚えてくれてるとか私生きててよかったぁ
赤面しているであろう私の顔はゆるみきっているはずだ
『夏目ルカ!野球部マネージャーとして頑張らせてください!!』
「よし、その心意気買わせてもらうよ」
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