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「もしもし?」



初めてのようで、懐かしい声が聞こえる




『…もしもし』




「…………………………………………ひかり?」





『はっはひ!』



はひって何!?
緊張しすぎだバカッ!





そういえば初めて電話したときにも、同じようなことやったような…………


電話越しでもこれは恥ずかしいよ






「いきなりごめん」




『いいっ、いえ!大丈夫ですよ』




はっ、つい声が大きくなってしまった!
しかも通りすがりの人に笑われたし!!






「ありがとう」



『へっ?』



ありがとう?
私、何かしたっけ…




「俺……手術受けることにしたよ」




『!?……大丈夫なの?』




「もう迷いはない」




『ほっホント!?よかった、ね』





「これもひかりのおかげだよ」





『私!?私はなにもしてないよ』





「いいや、ひかりのメールで俺は目を覚めたんだよ」




『めーる?』




メールで…何かいったっけな






「何があったかわからないけどさ、小さな事で落ち込んでるんだったら、言うけどお前それでも男か!きんt『うわぁぁぁああああああ』」



何を言ってるかと思えば私がイライラして送ったメールじゃんか!?



何!?
もしかして怒ってる!?





「俺、女子にあんなこと言われたの初めてだよ」




『すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみません!』




「フフッ怒ってないから(笑)」




『それは怒ってるか怒ってないかわからないよ』



「ホントひかりは面白いなぁ」




『おっ面白くないし!!』




「それに可愛いよ」




『かっ………っっ』



耳が死にそうだ





『あっ、話変わるけど……県、大会行けるように…なったよ』




「それはおめでとう、って…もしかして、今日大会だったの?」





『えっ、うん………個人戦だったけど』




「うわっー、最悪…そっか…終わっちゃったか」




『うっうん』




「ちなみに結果は?」





『えー、と、団体は惜しくも準決勝で負けて………県大会いけなくて……個人戦は……………二位だった』



「二位か…うん。よく頑張ったね」





『ははっ、でも決勝戦がぼろぼろだったからなー、まぁ県大会行けるからいっかなー』









「………………………………もしかしてもう、満足してるの?」




『えっ』




満足?
満足は、…………どうなんだろう。
この気持ちは満足してる内に入るのかな?





「お節介かもしれないけど、そこで満足したら敗けだと思う」






『……っ』





『強くなりたいなら尚更だよ。ねぇ、満足してない?』





『………』





満足しているのかもしれない。
だって初めての県大会だよ?




―敗けだと思う





泣きたくなってきた
なんか悔しい気持ちが身体中を駆け巡っているような気がした





『ごめん、精市…少し満足してた、少しじゃないかな…ケーキバイキングで沢山食べてお腹一杯になった位満足してた』





「解りやすい例だね」





『そうだよな…満足したら敗けだよね…今さら気が付いたよ。ありがとう精市』




「フフッ、声が暗いよ?俺は別に叱った訳じゃないんだから」




『いやっ!今のは身にしみた!!有難いお説教あざっした!!』





「お説教じゃないって…まぁいっピーピーピーピーピーピーあっ」





『えっ?』





「電池なく……………」




―プチン




『(切れたぁっっ!)』






―――――――――



幸村視点





「急いで充電して……あっ、予備の電池がなくなってる…」





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ってページがありましたら連絡してくれると助かります


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