name






「ひかり、落ち着いた?」



『・・・・まぁ』




水で濡らしたハンカチで目を覆い隠し、階段に横たわる
ここからは良くテニスコートが見えた





「何かあったの?」



『………言っても信じてくれないと思う』



「そんなに私は信用できない?」



『いや、優衣は誰よりも信じれる』




「私もひかりを一番信じてる友だと思う」



『ありがとう』





そしてまた沈黙が続く、
コートからはボールの音が聞こえて、心が落ち着く


「ひかりさ……最近恋したでしょ」




『は?』



つい勢い余ってのせていたハンカチがお腹に落ちる



「図星」



『ちっ、違うし、恋とかしたことねーし』



「精市君?」



『えっ征一!?あんなやつに恋愛を抱くような子に育った覚えはありません』




「違う、ゆっきーの方の精市君」



『…あぁそっちか……………私、彼と会ったことも声も顏も知らない人だよ?』


「でもゆっきーの事を考えると胸が痛くなったりしない?」



『んー……なんか心臓がバクバクする』




「それが恋じゃん」




『はいィィイ!?大丈夫優衣!病院行った方がいいんじゃない?』




「お前が精神科行ってこい、良い病院紹介してあげるよ。骨は拾ってあげるから」



『なんで精神科いって私が骨になるんだよ』



「で、本題に戻るけど、ゆっきーのせいで泣いたんでしょ?」



『………青春は甘酸っぱいレモン味らしいですけど、あれレモンだっけ、自分的にはイチゴがいいんだけど』



「…………(鈍感って言うより馬鹿だ)」







『じゃあじゃあ、これが恋って奴なら私は初体験を今、現在進行形ingで青春真っ盛りってわけ?』






「…?まぁそうゆうことなんじゃない」




『絶対ありえない!』




「でもそんな出会い方って素敵じゃない」




『素敵でも、私はそんな乙女な性格じゃないもん、恋なんてしない』




「ひかりも女の子なんだからいつかは恋をするよ」



『体が恋と言うものを拒んでる!よし、体調も良くなったし部活に戻るか』


「ちょっ、待ってよ」










(知っていたのかもしれない、)




(これが恋の始まりなんじゃないかな、と)









(でも、まだそれを認めたくない自分がいる)








『(今はまだ認めたくない)』



[*前] | [次#]







文章が抜けてたり、あれ、この話とんでない?
ってページがありましたら連絡してくれると助かります


TOP
「#学園」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -