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『あっ、越前なんとか君だ』
さっきから後ろで騒がしい二人を残して、彼の元に走った
「俺は越前リョーマ」
あら、さっきの聞かれてたんだ
「それにしてもあんたモテモテだね」
『あー、いやーとうとう自分の時代が来たかなって(笑)』
「へーそれは良かったね」
『ちょっとばかにしてません?ジョークのつもりだったのに』
「で、俺に何か用?」
ファンタを片手に彼はニヒルに笑う
『えっとね、優勝おめでとうっ』
「あんたが応援していた方は負けたのに?」
『んー、精市には勝ってほしかったけど君が勝ったからーえっとーただ優勝おめでとうって言いたかっただけ』
「まぁ俺が勝つのは当たり前だけどね」
『そんなのわかんないよ、次は何があるか分かんないんだから』
「……ところであんた名前は」
『えっ、こしひかりだけど』
「ひかりね、わかった。それにしても初対面だよね俺ら」
『あっ馴れ馴れしかった?』
「そこそこね」
『君は素直な子なんだね』
「あんたほどじゃないけどね」
『誉め言葉として受けとるよ』
「フフッ、越前リョーマは俺の彼女と何話してたのかな」
『せっ精市!?(あれ、今さっきまで後ろで喧嘩?してたのに)(あれ?!彼女?)』
「あんたの彼女面白いっすね」
「それはどうも。さぁひかり行くよ」
『ふへっ、どこに!?』
「俺の家に行ってそれからデート」
『でででデート!?』
「一時したらまた会えなくなるでしょ?その前に一回位デートしなきゃ」
『はい…?デート?』
「じゃあね越前リョーマ。今度会うときを楽しみにしてるよ」
「もうあんたとは会いたくないね」
そういってリョーマ君は去っていった
「さぁ行こうか」
『はっはい』
「勿論俺も行くから」
『虎次郎も!?』
「当たり前じゃないか、ひかりは俺のものだから」
『いやいやいや、違うから』
「ふーん、そんなこと言えるんだ。昨晩もあんな事があったのに…どうどうと鎖骨が見える服を着て…そんなにキスマークを見せつけたいんだ」
『エエエェェェエエエ』
「昨日はあんなに愛を求めあってたのに」
『ちちちげぇぇえ!!違うから何も無かったから!!』
「ひかり…詳しく教えてくれないかな」
「辞めてくれないかな、幸村君。俺達の秘密を探ろうなんて」
『へっえっえっと、あの』
「昨日だって同じ屋根のした(部屋は違うけど)で愛を求めながら(主に俺が)寝たんだよ。あれ、幸村君、だまりこんだけど、やっと俺とひかりの間に入れないってわかった?」
「いや、お喋りな口にどんな黒ま………制裁を食らわせてあげようかなって考えてたんだよ」
『えっとー、やっやめようよ二人とも』
「「ちょっと黙っててくれないかな」」
ーぷちん
『………もっもう、知らない!あんたたち気が合うから一緒にデート行ってくれば!?』
私は二人をおいて出口に走った
「「ちょっと待ってよ!!」」
なんだかなー!!
せっかく精市と会えたって言うのに虎次郎が邪魔して、精市も精市でメールと違って少し子供っぽいし!でも………このドキドキは……でもでも絶対今の精市には言ってあげないんだから
『あっ、リョーマ君!またね』
出口を出た所にリョーマ君がいたので、そう言ったら「うぃっす」と、だけ返ってきた
「ちょっと待ってよひかり!幸村君俺の目の前歩かないでよ」
「フフッ、遅いから亀が散歩してるのかと思ってたよ」
『あーもう!二人供喧嘩辞めないと打つよ!!あと虎次郎は今すぐホームバック』
――――――――
「オイ越前、さっき挨拶した女の子って誰だ?」
「ひかりっすよ、幸村って人の彼女らしくて、佐伯ってストーカーが付いてる」
「えっ、なんだそりゃ。……いろいろ複雑…ん?越前どうしたんだ」
「いや、俺ああいう女嫌いじゃないっす」
「へぇお前もそんな事思う事ってあるんだな」
「桃先輩には一生分かんないことっすね」
「なっ俺だって好きな女ぐらい…………」
―――――――――
「もう行っちゃうんだ」
『明日は学校行かないといけないし…夜中の家に帰らないと』
「そっか、そうだよね。一生俺の所にってのは無理だもんね」
『ごめんね、せっかく会えたのに…』
「いいや、会いに来てくれただけど俺は嬉しいよ」
『うん、極力会いにくるし、えっと…ううう浮気もしない』
「勿論。もししてもひかりを犯して、男を消す」
『あの、君が言うと嘘に聞こえないから』
「嘘じゃないもん(笑)」
『あっ、はは』
黒い笑顔を見せる彼の後ろから私に手を振っている、姉の姿が見えた
「もう飛行機でちゃうよ(あらイケメン//)」
『あー、もうそんな時間か…じゃあね精市…帰りついたらちゃんとメールするから。またね』
体の中で暴れる悲しさを堪えて、なるべく笑顔で手を振った
姉の後ろを歩くとき『ちょっとドラマっぽい』な、なんて思ってたら
ーchu
『んっ』
「やっぱり我慢できないから、これだけはしとく」
『………』
ぺろりと唇を舐める仕草が今何をしたか物語ってた
『えっ、あっ、じゃあ、また』
「またすぐに会えるから」
。◯Ο゜◯。゜゜Ο。
機内の中で外を見ながら思い出す
『唇が熱い…』
『あれは反則でしょ…』
貴方と出会って私は変わった
君と話せて俺は変わった
こんな素敵な物語は
もう二度と読むことはできないだろう
なんてね
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ってページがありましたら連絡してくれると助かります
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