う、嘘だ、ろ
すっかり忘れてたけどブン太って…しい太と同じような髪色で…
「おい、なんだよ。試合中に叫ぶんじゃねぇって」
『…私はこの裏切られた感をどこに吐きだせばいいのですか!!』
「はぁ?意味わかんねぇ」
『いや、いいんですいいんです。もういいんです』
別に数ヶ月前に言われたことなんで気にしてません。
寧ろよく思い出した。自分を自分で褒めてあげたい。
コートの中を見れば、ちょっと不機嫌そうな丸井ブン太先輩が私を睨んでいた。
はっきりと呼び出された記憶が脳裏に浮かぶ。
「なんだよあいつ…」
そういえば今日までずっと「ブン太先輩」と呼んでいたはず
なぜ気づかなかった
バカか私は!
『キィイイ…でも思い出したら腹立ってきた』
しい太だよ!君たちが見間違えたブン太先輩は実は、しい太なんだよ!!
『しい太に会いたい』
会って、あの髪の毛を思う存分にいじくりまわしたい。
「お嬢ちゃんの彼氏か?」
『いいえ、普通の幼馴染みです』
私に彼氏なんているわけないだろw
この顔だよw
あ、自分でいってて泣きたくなった
『てか、跡部さん…もしかして今から行われる立海VS氷帝の全試合、撮らないといけないんですか』
「上手い奴の試合を見るのも良い経験になるだろ」
『(次元が違うとは言えぬ)』
はっ!!もしかしてこれ昼まで時間かかるんじゃ
佐伯さんが貸してくれた日焼け止めは塗ったし、帽子だって今日は麦わら帽子を持参した(ジャッカル先輩がどこからか持ってきた)
『私倒れても知りませんよ』
「頑張れ」
『あぁ冷たい跡部さん』
「…こしさん……水分補給は迅速に」
そういって樺地さんは一杯の水を私にくれた
『あぁ!樺地さんはなんて優しいんですか!どっかの誰かさんとは大違いだ!』
「試合中は…お静かに」
『あ、はい…すいませんでした』
怒られた
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少女はテニスコートへ走った