『ふぁいおー』
結局ゆきさんに見つけられ、連行されました。はい
部屋まであとちょっとの所で第二のお兄ちゃん異、宍戸先輩と出くわして普通に挨拶しているところを発見されました
そんなにイライラしてるってことは、
やっぱりゆきさんは私が嫌いなんですね
「よお、ひかり。今日は俺も珍しく起きっゴッフォ!!」
お気楽に手を振りながら兄がこちらへ歩いてくるのを見ていたら、跡部さんの放ったサーブがコートでバウンドして兄の横っ腹に直撃した
『ぼふっつっっっ!!!』
思わず噴出して笑ってしまった
キタネェ唾とんだww
朝食べためかぶ吐くかも
「さ、さすが跡部…俺の心にドストライクな熱い気持ちが痛い程が届いたぜ」
『今の場面を映像に納めたかった』
跡部さん、今度はちゃんと打ち合わせしましょう
「まぁ俺の黒木さんに当たらなくて良かったぜ」
兄は右肩に掛けていた一眼レフを優しく撫でた
Canonのなんとかっていう一眼レフで、名前は黒木さん
実はかなり高かった気がする
私は真っ黒なことからブラックジャック先生と呼んでいる
『今日はあれないの、ピノ子』
「赤木さんな、」
そういうと 赤いデザインのPENTAX K-x通称ピノ子(赤木さんな) を鞄から取り出し、私にくれた
この赤いのが好きなんだよなー
「そいや手伝いしなくていいの」
『いいんじゃない、マネージャーさんたちが頑張ってるし』
私はピノ子を覗き込みながら、ぶっきらぼうに言い放った
一眼レフについての知識はこれっぽちも無いけど、普通のカメラよりかっこよく撮れるから楽しい
ホントはブラックジャック先生の方が性能的にはいいのだが、あれだけは兄が唯一触らせてくれないものだ
別にピノ子も綺麗に撮れるからいいんだけど、
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少女はテニスコートへ走った