『ど、どうせそんなもの嘘なんですよね。怖くないですよそんなの」
「俺的には腰とか掴まれるより、袖とかの方がええんやけど」
「まてひかり!!戝前なんかに抱き着いたら迷惑だろ」
『大丈夫。この人は私の盾になってもらうので迷惑なんかじゃないです』
「それってこしさんには迷惑じゃなくても戝前君には迷惑じゃないかな」
黒い笑顔を私に向かって微笑みかけてくる鳳先輩はゆきさんの分身じゃないかって思う
各学校にはこういう人が一人は居るんだな…立海や氷帝、青学………
「あれ、今何か声が聞こえなかった?」
『鳳先輩…そうやって私たちを驚かせようとしてるんですね』
「お、俺にも聞こえたぜ…変な声が」
『赤也先輩も氷帝の回し者だったなんて…』
「ちょっと俺見てくるからお前らここで待ってろ」
「日吉…お前とはもう会えなくなるとは思うけど…達者で暮らすんだぜ」
『日吉先輩の髪の毛だけは忘れません…ありがとうございました』
「よし、お前たちから先に行け」
ひょいっと軽く持ち上げられ声のしたほうへと放り込まれた
日吉先輩なんてそこらへんに生えているキノコより低価格でスーパーで販売されていればいいのに…
『せせんぱい、やっぱり声なんて聞こえませんよね』
「おっかしいな…さっきちゃんと聞こえたんだが」
『先輩たちの耳が腐ってたんだな確実に』
「ふー」
『ぶひっ!!』
赤也先輩を蔑んだ眼で見ていたら後ろから耳に息をかけられて、思わずしりもちをついてしまった。別に耳が弱いってわけじゃないけど、今の状況では効果的だったのだ
「ブヒって女子が言うセリフじゃねぇだろ」
『だ、誰ですか今、耳ふーってした人』
「俺じゃねぇぜ」
「僕でもないですよ」
「……俺でもないで」
『じゃあ赤也先輩は…私の横にいたから違いますよね…じゃあいったい誰が』
…まい…………たりな………
『!?』
「さっき聞こえた声と同じだな」
『どどどうせ青学の生徒が驚かせようとしてるだけでしょ…怖くないですって』
「ちょっと近づいてみようぜ」
………1枚.2枚.3枚.4枚…
『これって一枚足りないって奴じゃないですか』
「おい、ひかり…お前足震えてんぞ」
『これは持病なので気になさらず』
……7枚…8枚……9枚
「おい越前、皿が一枚足りないぞ」
「「「「『…………』」」」」
「部長、それでいいんスよ」
茂みをかき分けて声のするほうへ行ってみるとそこには
青学の部長さんと越前君が白い浴衣を着て長い黒髪のウィッグをかぶって何やら作戦会議をしていた
「それで人が通ったら一枚たりなーいって言って追いかけるんっすよ」
「追いかけてどうする」
「それが怖いんじゃないんすか?とりあえずそう乾先輩から聞いたんすけど」
カシャ
「「!?」」
とりあえず私は持っていた携帯でその場面を撮ってみた、こ、これはいろんな意味でお宝写真になる予感
写真を撮られたことに気づいた二人は特に驚くようなことをせず私たちを凝視していた
『越前君…すっごいかわいいけどもしかして女の子なんじゃ』
「俺は男だけど」
『一緒に写メいいっすか』
「ヤダ」
『えぇーなんでーせっかくかわいいのに』
何度誘っても一緒に撮ってくれない越前君はいけずだ
「て、手塚さんっすよね…」
「手塚さんもコスプレとかするんですね」
『話変わるんですけど、これって肝試しですよね』
なぜ普通に驚かされる人と驚かせる人が仲良く話てるんだろうか
「ねぇひかり昨日の夜の約束忘れてたでしょ」
『え、あーファンタ…だったよね。忘れてた』
「別にいいんだけど」
『ごめんって、今日こそは約束守るから……あ、そうだ。一緒の時間帯に入るためにこれが終わったらロビーで待ち合わせしようよ。ね』
「そうだね」
『じゃあ早く終わらせて風呂入るために先輩たちそろそろ次進みましょうよ』
このまま進展なくグダグダしてると尺的にも困りますからな
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少女はテニスコートへ走った