『あ、』
「あ」
「「「………」」」
「こしさ…ん」
『……』
肌に甘い水が流れ込んでくるのがわかる
なぜ私が水をかぶら無ければいけなかったのか
話は10秒ほどさかのぼる
「精市!のど乾いてない?ウチ注ごうか…あ、もう無くなってる」
「はーい私作ってきたよ(ここでわざとこけて)」
『あ、私ももらいます』
「え゛」
『え』
私も貰いに行こうとして小鳥遊先輩の前を通ったら桜先輩が野太い声を出した
その瞬間水が降ってきた
とゆーわけなんです
「……自分その下スクール水着なんやな」
『……』
そして目の前にはいつの間にか氷帝の生徒が立っていた
スクール水着がどうした
えぇ?スクール水着がなんだって?
「何々おっしーどうしたの!?あっれまーこしさんすっけすけだC」
『そんなに濡れてますか』
まじですか。そんなに透け透けですか
この場面が自分でさえなければカメラ片手にどこかのマスコミのように地面を這いずり回っていたのに
あーTシャツ含め全身びっしょりだわこれ
しかもあまー
これドリンクか
「ごめんなさい…私つまずいちゃって」
「何の騒ぎだ」
「跡部、コートの上にあるシャワー室借りるよ」
「あぁいいぜ」
『え、ゆきさん…私今からこのまま海入るんで…』
そしてそのままサボろう
そういえば今かぶってる帽子も濡れてる、どうしよう
借り物の帽子なのに
「海が汚れるからダメ」
『え、私は汚物か何かですか、って先輩!ユニフォーム私にかけたら汚れますよ』
「こんな姿を皆に見せる方が目にゴミだよ」
『酷い…もうゆきさんってそーっと私の事嫌いですね』
「早く歩かないとその口に塩コショウかけちゃうぞ☆」
『ひぃぃぃぃ歩きます歩きます』
(なぜ私ばかりこんな目に)
(ちっ。こしが邪魔した。気にいらない気にいらない)
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少女はテニスコートへ走った