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「で、君はサンダルに浮き輪を持って何処に行く気なの?」

『え、泳ぎに行くんです』

そりゃサンダルに浮き輪と来たら泳ぎに行く以外に見えないでしょう。こんな格好で書道でもすると思ってるんですか?


「じゃなくて、仕事もしないで何処に行く気なの?」

『だって仕事はもう先輩マネージャーがやってくれてますし。私用無しですよね?』

「確かに君は能無しだけど、テニス部なんだからスコア位つけられるでしょ」

『いや用無しです。誰が能無しだ!!』

俺間違ったこと言った?

『さーて、スコアとりますかね』

ジェットコースターに乗って急降下するとき並に冷や汗がでた
ヨッシャー!ヤルキデテキタヨ


『えっと、なんだっけこの人の名前』


立海先輩の細目の方。あれれ物忘れ激しいぞ自分。
そのくせ恐ろしい事は必要以上に覚えてるんだから脳ミソが憎らしい


『えっと。相手は…………赤い学校のロン毛っと』

暑くないのかな。
ムシムシした空気なのに蒸せないのだろうか


「君ー。えっとこしさんだっけ?」

『え、あ、はい』

誰だこの無駄な爽やかボーイは

「見たところ半袖半ズボンだけどちゃんと日焼け止め塗ってる?」

『いえ、塗ってません』

よく見るとロン毛さんと同じユニフォームを着ている


「だめだよー女の子なんだから尚更塗らなきゃ」

『でも持ってませんし』

「なら俺の貸してあげる」

『えー塗らなきゃ駄目ですか』

「今塗ってないと後々後悔しちゃっても遅いんだよ」

『そうですね。ならお借りします』

「あ、そろそろ試合だから俺行くね」

『ありがとうございます』

日焼け止めをくれると、走ってどこかへ行ってしまった


あ、これ返しに行かないといけないのか









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少女はテニスコートへ走った
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