「ほら、1年生!!声だして!!」
「「「はい!」」」
先輩に注意されて私達1年生は声を張上げる。
一部を除いたら。そう、一部を除いたら。
「先輩ってだる…早く引退すれば良いのに」
『……』
私の後ろにいた数人の1年がクスクスと笑っていた。
かなりやめてほしい。
私まで同じ1年生だからといって先輩に睨まれるのだから。
「っち、1年!!声だして!!」
『はい!』
なぜ他の部活の方々は先輩後輩仲が良いのだろう。
この前なんて卓球部は、親睦を深める為にボーリングに行っていた。
「じゃあ10分休憩!」
部長がそう言った。
『は〜やっと休憩』
先輩は休憩と言うが、それを私たちから見れば
「こしは先輩達どう思う?」
『うーん。ジャニーズの追っかけかな』
先輩たちの背中を薄目で見た。
同じクラスの佐藤さんはその答えに大爆笑していた。
ちなみにこの会話はすでに五回は繰り返していると思う。
『確かに立海大の男子テニス部は強いよね。だからってファンクラブまで作る?』
「私、うまかっちゃん以外興味ない」
『それラーメンww』
よく見ると男子テニス部専用のコートの回りには、さっき先輩に反抗していた1年生もきゃあきゃあ騒いでた。
元気だなぁ
『このテニス部で生きていける自信がなくなってきた』
「あ、私明後日大阪に引っ越すことになった」
『え』
「今お母さんからメールきた」
二日後、佐藤さんはメールするねと言って旅立っていった。
『って、え』
まじですか
私これからどうすれば良いの!
部活ぼっちだよ!!
[*前] | [次#]
TOP
少女はテニスコートへ走った