しい太と別れたあと素早くコートに向かった
『あ、やば。先生来てる』
うわー、しかもピリピリしてる・・・機嫌悪そうだ
「1年生は職員室に集合。他の者は下校するように」
『え、』
遠目から見ていたら先生と目があった
「こしか。お前にも話を聞こう。職員室に集合だ」
『今来たばっかりなのに・・・』
それから一年生達とピリピリとした空気の中職員室に向かった。
皆に聞いても、とくに何も話してくれなかった。
職員室から数人の先生が出てくると多目的ホールへと連れて行かれる。
はて、何の話ですか?
多目的ホールに連れて行かれた後は個人面談のためそれぞれの個室に連れて行かれた
え、ええええ?
何?
何ですか?
え?はい?
「ということだ」
ということだっていっても、いやいや私宿題してたし
コートの入り口に高橋さんの悪口が書かれていた。それが原因らしい
いつもの事ジャン・・・・
なんて思ってた自分が馬鹿らしく感じた
いつもの事か・・・
高橋さんとは物静かで、いつものそのそと歩いており、猫背が特徴的な子だ
行動が遅いことが癇に障ったのだろう。
1年部員の半分は虐めに関与していた。
私は見ていた。
私は傍観者だった。
『私、今日コートに行ったのは事件が起きた後なんでちょっとわかりません。帰っていいですか?』
先生は、今回以外の事も聞きたいと言ってきたが、もう遅いので明日にしてくださいといって部室に戻った。
その途中3人の1年部員と出くわす
それも非常にめんどくさいメンバーだ。
「ねぇなんていったの」
『え、何が?』
「個人面談」
『あぁ、私は何も知りませんって言った』
「それでいいの。虐められる方にも非はあるっていうのに」
「これを機に高橋は部活やめればいいのに」
「それより早く帰ろ」
と、高笑いしながらその子らはこの場を去っていった。
私の微妙な笑いに背に向けて。
こんな事なら、しい太と勉強してた方がどれ程ましだったか
『早く着替えないと』
「君・・・」
『え、』
「君って最低だね」
いきなり目の前に現れた男子にそう言われた
『何・・・』
先輩だろうか。
同じ1年ではないことは確かな身長と体格でわかる。
「聞いてたよ。今の話」
『!?』
「女子テニス部の噂はたまに耳にするんだよね」
『し、しつれいします』
横を過ぎようとすると右腕を掴まれた。
『な、なんですか』
「何故すべて話さないの」
『は、はなして!変態!変質者!痴漢!』
「・・・」
ぶんぶん手を振ってると無言で睨まれた挙句、さらに強く握られた
『あんた、…なんかに、わかるはずもない!』
「
」
『…し、知らない人に話す気はないです!だから放して』
「幸村」
『
』
「精市」
『
』
「これでもう知らない奴じゃないよね」
(お兄ちゃん。私は今困ってます)
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少女はテニスコートへ走った