name





「忘れてた」




ジイちゃんに頼んでいた例の物が届いてしまったのだ



「…どうすっか」




名前入りのバングル…しかもペア



あのときの俺はどうにかしてた…こしの為に何やってんだよ…



「あ」



『え』




そしてよりにもよって出会ってしまうのだ。こいつと
あきらさまに嫌な顔をされて、いい気分になれるわけがねぇ




『…朝から黒羽先輩に会うなんて……』




「……」




『……珍しいですね。先輩が言い返さないって』




「……」




『キモチワルイデスネ』




「……3」


―パチン


『3?』




「2」


―パチン
―パンッ


『2?あれ、手首に…バラが』




「1」


―パチン


『…!!』


―ぼわん


「……」




『バラが…消えた』




「………消えただけじゃないぜ」




―ジャラ




『これって………バングル?』




「お前にやるよ、男の俺が持ってても意味ねぇからな」




『え、…こんな高そうなもの、なんか企んでませんか?』




「企むかよっ、拾ったんだよ。そうだ拾ったんだ」




『拾ったって……』




―ジャラ




『綺麗だ』




「…………」




あんなに綺麗に笑ったこいつ…久しぶりに見たな




『…何ニヤニヤしてるんですか…』




「いーや、なんでもねぇーよ。気にするな」




『まぁありがたく貰っておいてあげますよ』




「肌身離さずもっとけよ」



『………………はい』




「……なら俺行くから」




『あ、あの……先輩、』




「ん?」




『わ、私黒羽先輩の事が嫌いです』




「…あぁ」




『でも…わからないんです』




「………」




『嫌いなのに……好きって言うか…いやいや、好きじゃないですよ!もちろん』



「………」




『嫌いなんですが…なんかもやもやするってゆーか、わからないってゆーか、』




「……別に良いんじゃねーか?それでも」




『えっ』




「だんだん俺に溺れていけば良いんじゃねーか?」




『なっ!!』




(キモい!)
(誉め言葉として受け取らせていただきますよ。お嬢様)



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