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「あのね快斗!」
「あ、わりぃ電話だ」
「……」
タイミング悪くない?
あぁそう…と、薄笑いをしながらガラス越しで快斗の仕草を見る
あれ、嫌な顔ってことはひかりちゃんじゃないの?
「で、話ってなんだよ。てっぺんに着いたぞ」
電話切ってる
「…電話いいの?」
「いいのいいの」
ピリリリ
「……」
「…わりぃでる」
「どうぞ」
そんなに出るのが嫌なのだろうか…青子の知ってる子?
【あ、やっとでたぁー!もう快斗!!なんで電話出てくれないの?メールも返信してくれなかったし】
「忙しかったんだよ」
【夏休み、どこにも行く予定なかったって言ってなかったじゃん!】
携帯から漏れだした声に、少しながら驚いた
【祭りの事、ちゃんと理由聞いてないし!】
「ハグレタ」
【もう!片言じゃん!】
「しょーがねぇだろ、あの人混みじゃはぐれない方が可笑しいって」
【快斗が私にちゃんとついてくれてたら迷子にならなかったの!てか今どこ!?】
「ゆーえんちー」
この声はたしか
「黒田…まあきちゃんだっけ」
電話をしてる快斗とその相手には聞こえないだろうという小声で呟いた
【そこに誰がいるの】
「!?」
「え…」
青子の声…聞こえてた、の?
凄い地獄耳、なんて少し呆れた頭で思った
【遊園地に一人でいるわけないよね!…誰よ!?もしかしこしひかりじゃないでしょうね!】
「ちげーよ。青子だよ青子」
【青子って中森青子?…じゃあその人に何かしゃべってもらって】
「あ?たくっ…おい青子。何か喋れ」
「喋れって言ったって何言えばいいのよ」
【………なーんだ。心配して損した、じゃあ明日また連絡するからちゃんと出てよね!…P】
「……」
「切れた。勝手なやつだな」
あ、れ?青子、まだちゃんと喋って無いんだけど
…
凄い虚しいんですけど
なんて言ってる間に観覧車は降りる場所まで来ていて、アイスなんて半場溶けてる状態で
青子のモチベーションはがた落ちです。
青子ってなんでいつもこんなのなのかな?
また空笑いがでた
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