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「ねぇひかり!まあきと町に買い物行くんだけど、一緒に行かない?」
『………』
その言葉に思わず口に入れそうになった卵焼きを掴んだ箸を一旦止めてしまった
『私用事あるから行かないよ』
至福の昼休み、瑠璃と机をくっつけてゆっくりご飯を食べながら恋愛話を聞いてパックのジュースの中を飲み干していく…それがいつもの昼休み
今日の昼休みは、いや最近の昼休みは転入生が私と瑠璃の間にいるように入り込んできて食事をとる窮屈な時間
そんな今、転入生はトイレに行くとか言って席を立った
そこに何か申し訳なく言葉を発したのは瑠璃、ここで冒頭に戻る
瑠璃には私と転入生が仲が悪いということを知っている
もうクラスどころか、全校に噂が広がっているのも私は知っている
「ねぇ聞いた?最近転入してきた黒田って子、黒羽君に毎日言い寄ってるって」
「私その現場見たよ。私もあんなに可愛かったら好きな人に毎日でも告白するのに」
「そういえばあの子どうなったの、ほらこしって子」
「あぁ、黒羽君に振られたって聞いたよ」
「まじぃ?」
「で、今いい感じの黒田を妬んで虐めてるんだって」
「何それ僻みぃ」
『それは誰から聞いたのか10文字以内で教えていただけないでしょうか。ねぇ先輩』
「えー誰だったかなー」
「って、あんたこし…」
『……』
「な、何よ…」
「行こ行こ」
これが今日の朝の出来事
『別に虐めとかやってないし』
「え?どうしたのいきなり」
『あ、うん。なんでもないよ瑠璃』
思わず声に出してしまった言葉を覆いかぶせるように、少し大きい声で喋った
「そっか……」
『……』
こんな日が今日で4日目
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