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本日三回目のひかりは屋上で告白を受けていた


「俺、こしの事前々から気になってて…」

あいつ、やっぱりモテるんだな


「こしって元気に駆け回ったり、時にはクールでとってもかっこいいんだよね」

『そうかな』

「何気優しいんだよなお前。困ってるやつ見てると助けてやるし」

『なんか照れるなー』

何照れてんだよひかりのやつ
そんなやつさっさと振っちまえよ

――――――――――――――――――――


「そういえばお前変わったよな」

『どこらへんが』

「高校に入って存在感で満ち溢れてるってゆーか」

『へー。で、私をここに呼び出したのはなぜ?』

「え、いやだから、俺お前の事が好きなんだって」

『え!そうだったの』

「おま…告白って知ってて話進めてたんだけど」

『あ、うんそうか。ごめん気付かなかった』

「気付かなかったって…お前らしいな」

お前らしいってどっちの私に言ってるんですかね

『あー……そういえば知ってる?中学校の時、私に好きな人が居たって事』

ここまで読んでくれた方ならわかるが、私は二人いる

こっちに来たのは高校に入る前

頭の中には、今まで過ごしてきた記憶と違う私が過ごしてきた記憶の二つ存在しているのだ


「え、お前好きな人なんていたの」

『……そうだ。中学の時の私って何委員会に入ってたか覚えてる』

「え、図書…委員会?」

違う生物委員会

『じゃあ今の委員会は?』

「図書委員会、お前楽そうなやつがいいってそれっぽいの選んだろ」

『正解。話戻すけど私あんたが中学校の頃好きだったんだわ』

「え!まじで」

『いや過去形だからね…』

そんなに喜んだ顔をされても困る
私はなぜこんな奴を好きになってしまったのか…
もう一人の過去の記憶だからといって、こんな過ちを犯すとは

きっかけは消しゴムを拾ってくれったて王道的な出会いなんだけどね

別に誰が誰を好きになろうとどうでもいいけど、私はこの人を好きにはなれないな

『私を気になりだしたのっていつぐらいから?』

「直球だな。しいて言うなら高校入ってから」

まだこの人が中学の時の私を見ていてくれたら少しは好きになれていたのに

『ごめんなさい。私は貴方と付き合えません』

「な、だって俺の事すきだったんだろ?」

『さっきも言った通りあれは過去形であって今は何とも思ってない』

「なんだよ…期待させやがって」

ごめんねもう一人の私
君が過去に一瞬だけ好意を抱いた男の子を振りました
別に期待させた覚えはないんだけど


「何…泣いてるんだよ」

『先輩…覗き見なんて酷いですよ』

「俺が先に居た」

『そうですか。なら失礼します』

「だからなんで泣いてるんだよ」

『……そんなこといちいち言わないといけない関係でしたっけ』

「…なら言わなくていい」

『なんですかその上目線…』

「それよりお前、涙って似合わねーよな」

『だからいきなりなんですか。別に似合わなくても似合ってもどっちでも良いですけど』

「笑ってろよ。何を思ったかわからねーけどよ」

『……え、キモいですね先輩。かなり』

「せっかくカッコいい事言ったのにそりゃねーって」

『かっこいいセリフ言えばいいって分けじゃないんですよ』

「お、笑った」

『笑ったわけじゃありません。嘲笑っただけです』

「泣いてなきゃ良いんだよ」

『キモ!うわぁ…』

「このキモい顔が、生まれた時のまんまの顔だよ」

『何開き直ってるんですか。こわーってなんで追いかけてくるんですか!!』

「悪い子はいねぇかああーーー!!」

『ぎゃああああ!!ガチで追いかけて来ないでください!!ガチ!顔がガチ!!』

「昼間のお返しじゃ!!」

『何のことかわかりませんんん!』


私はさっきまでの涙を忘れて走った


(あれ、ひかりと黒羽先輩鬼ごっこ?)
(瑠璃にはそう見えてるらしい)







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