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「はぁ!?怪盗キッドのコスプレ喫茶だと」
学校帰り、瑠璃と試作品のケーキを食べに来てね、と多紀さんの誘いに普通についてきた快斗先輩が盛大にコーヒーを私にぶちまけた
『まじ勘弁してください』
そのふざけた提案と、私にかかったコーヒーに対して言いはなった
「コーヒーは肌のシミ対策になるんだぜ」
『制服についたシミは取れなくなりますよ』
何グッドって顔してるんですかちょっと可愛いとかそんなこと思ってませんから
「勢いで決まったけどどんなことするんだろうね怪盗キッドのコスプレ喫茶」
「……そりゃあかっこいいキッド様が主役の喫茶店だろ」
『そのまんまじゃないですか』
「……照れる」
「なんで黒羽先輩照れてるんですか」
『……』
かっこいいキッドって言葉に私が同意したことに恥ずかしいのか、それとも自分で「かっこいいキッド様」という言葉を言ったからかは定かではないが、とりあえずとてもかわいかった。くっそ…可愛いとか思っちゃうz
「クラスのリーダーさん。こりゃがんばらないとね」
「ひかりお前リーダーなのか」
『なりゆきで』
「じゃあ時間がバラバラで一緒に帰れねぇな」
『いつもたまにしか帰ってないですけど』
「一応言っとくが文化祭はな、あぶねぇんだぜ」
『危ないって何がですか』
「俺のダチが言ってたんだけどな」
「俺が言ったんだけどね」
「あ、多紀!」
『柳さん、文化祭が危ないってなんでですか』
突然現れたバイト姿の柳さんがいつも以上の笑顔で言葉を続けた
「フフフ、僕の学校では毎年文化祭後の恒例なんだけど」
『?』
「何だと思う?」
多紀さんは楽しそうにこう答えた
「カップルの殴りあいさいさ」
『いや、全く面白くないですよ怖いです』
ニコニコ笑いながら言うことでは無いが、きっと私に彼氏が居なかったら大いに笑い転げていただろうリア充爆発しろと
「でもなんで文化祭後に恒例のように喧嘩するの?」
あ。瑠璃はわかってなかったんだ
『つまりよくある場の雰囲気で行動しちゃうってことだよ』
「文化祭という祭りで浮かれた人たちがノリでヤっちゃうんだよ」
「文化祭のノリって?」
『文化祭ってクラスや部活動で遅くまで残ったりするでしょ。そこで楽しくなったり夜の学校だったり、まぁ私も漫画で得た知識だからよくわからないけど、つまり付き合ってる人がいるのに他の誰かとも怪しいことをするんだよ』
「怪しいこと?」
『瑠璃…あんたわざとじゃないよね』
いくら私が遠回しに言ってると言ってもさすがにここまで言ってわからないとは…と、思ったが一瞬悩んで口を開けた
「え、あ、もしかして浮気ってこと!?」
『簡単にいったらそーゆうこと』
瑠璃は感がいいのか悪いのか良くわからないなぁ。人の事言えないけど…
「ひかりは自分の事以外だったら勘が当たるよね」
『反論できんっすわ』
「お前!浮気とかしねぇよな!」
『同じ台詞を先輩に投げつけていいですか』
「殴りあいか…」
「別れるカップルの率と新規のカップルの比は7:3って所かな」
「七三分けだねひかり」
「海と陸のような関係か」
『はいここテストに出るんで良く覚えときましょう』
きっと周りから見た私たちはバカなの?死ぬの?と思われてるだろう、異論はない
「そっかー文化祭って恐ろしいんだね!」
『きっと終わる頃には血の雨だよ』
「でもひかりと私は大丈夫だもん
ね。ねー」
『……私達が大丈夫でも男どもはわかんないでしょ』
ねっ、と確認を取るように二人に向かってニヒルにわらってみせた
「俺たちもナメられたもんだな多紀」
「フフ、そうだね快斗君」
お前らいつの間に仲良くなったんだ
『先輩の所では何するんですか』
「んー劇。まだなんの劇をするかは議論中」
『劇とか…っぷ』
「俺の演技バカにしたなー」
『木の役とか似合いますよ』
「ねぇねぇ多紀も同じ時期に文化祭あるよね」
「今年は瑠璃ちゃんと回れるように準備しとくね」
「やったー!」
『あ、それ私のケーキ!』
「へへーん早いもん勝ちだ」
『下駄箱に魚介類入れてあげましょうか!』
「ギョオオ!お前それ死人でるぞ!俺と言う死体がな!」
「まぁまぁひかり落ち着いて」
「はい瑠璃ちゃんアーン」
「アーン。うん美味しい」
『「リア充爆発しろ」』
「「君たちもリア充だよ」」
――--……。
…リセッ…トリセットリセットリセットリセットリセットリセットリセット…リセットリセットリセッ…トリセットリセットリセットリセットリセットリ…セットリセットリ…セットリセットリセット…
ーおい!!っ…―――!おい!
リセット完了いたしました
誰…?
『もう先輩!そんなにケーキ好きなら魚の白身を混ぜたケーキ作ってきてあげましょうか』
「毒を盛られる」
「多紀、この新作のケーキおいしい!」
「フフ、作ったかいがあった」
「「『え!?このケーキ多紀(さん)がつくってたの!?』」」
今こうやって笑ってるのもあと何回?
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