name
そう言えば今更だけど何故私はこの世界に来たのだろうか
アニメの総集編みたいになるだろうけどいっか
確かこっちの世界に来る前に,この世界で住んでたひかりちゃんと頭の中で話したんだっけ…
あんま覚えてないんだよな
そう頬杖をついて、頭の片隅にある記憶を掘り起こす
寝ているときだった…夢の中での会話
その頃の私は名探偵コナンやまじっく快斗が大好きで、まだ全巻集めてない漫画をコツコツと貯めていた
学校からの帰り、まじっく快斗を片手に中でも大好きな怪盗キッドのかっこいいシーンをによによしながら見ていたのは、今でも忘れることができない
(いっとき忘れてたけど)
そしてそのまま寝てしまったら、なんと容姿も声も自分そっくりな自分が目の前に!
あの時は夢だとか冷静な自分がいた
それでなんか進路に迷ってたって言うからキッド異黒羽快斗が通っている江古田高校でいいんじゃないって適当に言ったんだっけ
それから何日かして、世界が入れ替わって
あれ、なんの拍子に入れ替わったんだっけ、忘れちゃた
まぁそれから快斗先輩にあって、だ、だき、だき…なんでもない
「ひかりさん、顔が赤いようだけど大丈夫かい?」
『え、大丈夫です』
ごめんなさい、嘘です。心臓バクバクです
先輩の顔を思い出すだけで、苦しい
あーでもあの時の私はホントに快斗先輩が好きだったな
あれ、そういえば何故か快斗先輩がキッドって事忘れてたんだよな
てか忘れてたと言うより、記憶を消去されたって言った方が良く聞こえるよな
家にあるキッドのブロマイド…うん帰ったら封印しよう
『うんうん』
「ひかりさんもそう思いますか」
『え』
「青子君と黒羽快斗は似合わないと言う話ですよ」
『え、あーえっと…私にはお似合いだと思いますけど』
「そう思いますか?」
ぶっちゃけ、もうお似合いだろうとなんだろうと私にはどうでもいい気がする
キッドが快斗先輩だと記憶を戻したとき、あの時は今だから言えるが本気で好きでした
告白混じりな事も言ったのも鮮明に思い出せる
今は……よくわからないです
わかんないです
先ほどまであらぶっていた心臓は今では正常に動いている
「君は黒羽快斗の事が好きだと聞きましたが…今はどう思ってるのですか」
『そんな恋愛事情を私が女子のように話す人間に見えますか』
「思いません」
「で、実の所どうなんだよ」
『萎えた』
「ふーん」
自分の気持ちはハッキリとしようなんて中学の時の担任が言ってたが、わかんないものはしょうがない
あーあ、せっかくの休みに何やってんだろ
先に運ばれてきた飲み物がカラになるとさらに気だるさが増して行く
だるー
ご飯ごちしてくれるって言ったから着いてきたけど、軽く断れば良かった
家でゲームしとけばよかった
今この時間が無駄に感じる
私は今、この世界に来たいと思ったことさえ後悔の渦だ
『うんおいしい』
だけどこの特製うにクリームパスタはおいしい
[*前] | [次#]
TOP