「で、これをここに代入するんだよ。分かったか?」
「う、うーん…」
明日数学の小テストがあるから今日は壱哉の部屋で勉強してる。
うちだと母さんが壱哉と話そうと何回もお茶とかお菓子運んでくるから集中できない。
中学の時に学んだよ。
壱哉の家は広いし部屋綺麗だし落ち着く。
勉強もスラスラっとね!
…俺が勉強出来たらね。
根気良く何回も教えてもらってるのにあんま理解出来てない。
壱哉ほんとごめん!
「ここ分かりにくいからもう1回説明するな?」
「うんっ」
あー、やっぱ壱哉は優しい。
言わなくても俺が分かってないって気付いてくれたんだ。
壱哉に恩返し出来る事なんて無いけどせめて、せめて試験で良い点取ろう!
そして壱哉のお陰だってお礼言おう!
「な、何とか解けた…!」
「よしよし、その意気だ」
まだ1問しか解けてないけど解けただけ凄い!さすが壱哉!
壱哉は昔から俺が上手く出来たら頭を撫でてくれる。
それは今も変わらないんだけど…この歳だとちょっと恥ずかしかったり。
でも壱哉に褒めてもらえるのは嬉しい!
よーしっ、頑張るぞーっ!って思った時にノックが聞こえた。
「やっぱり。大樹君いらっしゃい」
「あっ、真嗣(しんじ)!久し振り」
「…今勉強中なんだけど」
俺の隣に座った真嗣は制服姿のままだ。
この制服、懐かしいなぁ。
真嗣は壱哉の弟で中2。俺も去年はこの制服着てたんだよな。
てか真嗣、すっかり成長して。
ついこないだまではまだ女の子に間違えそうなぐらい可愛かったのにすっかり男らしくなって。流石壱哉の弟。イケメンだ。
「たまには良いでしょ?ね、大樹君」
「うんっ。俺も休憩し…ひっ!」
休憩したかったって言おうとしたら勢い良くドアが開いてビクッてした。
ビックリするからノック大切っ!
「……大樹、久し振り」
「お、おぉ、真純(ますみ)、久し振り。ノックしないとビックリするだろー」
「悪ぃ」
すっかり格好良くワイルドになっちゃって!
真純は真嗣とは違って原型を留めてない程制服を着崩してるけどそれがよく似合ってる!
真純も俺の隣に…おぉっ、遠山ツインズに挟まれた!
真純と真嗣は全く似てないけど双子だったりする。
真嗣は優等生タイプ、真純は不良タイプ。
そして昔から俺に懐いてる弟分だ。
「真嗣っ!真純っ!大樹にくっつくな!」
「大樹君、嫌?」
「嫌じゃないよな?」
「う、うん。嫌じゃないから壱哉も気にしなくていいよ」
この2人は昔からくっついてくる。
弟が欲しかった俺はこの2人が可愛くて仕方ない。
あー、弟欲しいなー。
「大樹、ゲームしようぜ」
「おっ、良いなっ!」
「僕ね、結構強いんだよー」
「あっこら!勉強中なんだぞっ!」
「まぁまぁ壱哉。ちょっとだけー」
真嗣と真純に手を引かれて壱哉の部屋にあるテレビにゲームを繋いでおもいっきり遊んだ。
一時2人がよそよそしくなって寂しかったけどまたこうやって遊べるようになって嬉しいっ!
そして勿論、このままゲームに夢中になって小テストの結果が酷かったのは言うまでもない。
「(大樹君ますます可愛くなったなー)」
「(今度、うちに泊まってくんねぇかな)」
「(こいつら、絶対大樹好きだよな…)」
2011/06/01
お久し振りの社宅ラブです!
僕は双子設定、好きなんです。
社宅ラブのモブキャラ、真嗣と真純です。
この2人も勿論大樹大好きっ子。
2人がよそよそしくなったのは恋だと気付いたからだったりします。
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