朝から大騒ぎ | ナノ
 



昨日は結局雅臣に抱き締められたまま寝ちゃった。
せっかく雅臣の誕生日だったんだからちゃんと祝いたかったけど、雅臣も寝ちゃってたし良いか。
学校は休みだし朝起きたら1日遅れだけどもっとちゃんと祝おう。
今日起きるまでは呑気にそう思ってた。



「た、大樹…!」

「……これはどういう状況か詳細を省かずきっちりと話しなさい」

「えぇっ、あのっ、俺ぇっ…」

昨日、母さんに連絡せずに泊まったもんだから心配して朝一に壱哉に連絡したらしい。
すると壱哉から春佳に連絡が行って、春佳から雅臣に連絡したのに繋がらない。
だから春佳と壱哉がこの雅臣の部屋に乗り込んできたんだけど、きたんだけどぉっ!
俺と雅臣の姿を見てベッドの横で震えながら見下ろしてくる。

「なっ、何で大樹と雅臣がベッドに抱き合って寝てるんだよっ!しかも裸で!」

「は、裸じゃない!さっき確認したらパンツは穿いてた!」

「では何故貴方達は下着姿で抱き合ってるんですか?」

は、春佳怖い…!
表情が消えてて怖い!
そりゃ昔から親父さん達に雅臣の面倒を見ろって育てられてたから雅臣を心配してんのは分かってるけど俺関係ないから!
てか何で服着てないわけ!?
昨日は着てた。ちゃんと着てた!
恐る恐る2人の足元を見たら脱ぎ散らかした俺達の服がある。
この状況は何だよっ。
雅臣に聞きたいけど俺の胸元に顔埋めて寝たまま起きない。
さっきから揺すっても起きないし!

「ご、合意…か?」

「何が!?」

我がヒーローが恥ずかしそうに聞いてくるけど何に対して合意?
一緒に寝る事なら合意だけど服を脱いだのは合意じゃないってか何で脱いでるのかも分かんない。
早く起きて俺にも説明しろよ雅臣ーっ!


「ん……」

「まっ、雅臣!」

結構おっきい声で話してたからかやっと雅臣が起きた。
もぞもぞしたまま顔擦り付けてくるんだけど擽ったい。
まさかまだ寝惚けてる?

「うひゃっ、ちょっと、擽った、い…」

チュッと音が響いてその場にいた雅臣以外が固まった。
そういえば、雅臣はドイツ人とのクオーターだ。
お袋さんがハーフで親父さんに出会うまでヨーロッパに住んでたから愛情表現が過激だった。
いつも会う度にほっぺにチュッてされてた。
恥ずかしいって照れたら雅臣とはいつもしてるのよって、特におはようとおやすみの時は欠かさないわって言ってた。
だからおはようとおやすみのキスは蝶塚家では当たり前なんだ。
そうだ、深い意味は無い。
でも俺は園田家だから朝からほっぺにちゅうは物凄く恥ずかしい!

「…Guten Morgen,meine Liebe.」

「えっ、は…え?」

雅臣が何か言ったけど分かんない。
英語、じゃないよな?
ぐーてる…も、え?
もしかしなくても寝惚けてる?
そしてまた俺の胸元に顔を…ま、待て待て!
起きて頼むから!
春佳どころか壱哉まで怖い顔になってるからぁぁあっ!

「貴方は朝から何を言ってるんですか!早く大樹から離れなさいっ!」

「大樹、今離してあげるからっ!話はそれからねっ」

「おっ、おうっ」


俺の力じゃもう離れない。
頼むっ、壱哉と春佳、頑張ってくれ!
また寝惚けて2人の前でちゅうされたら恥ずかしくて耐えられないっ!
つか起きろよ雅臣ーっ!!



「(ま、まさか昨日大樹は雅臣に…それよりも早く引き離さないと!)」

「(大樹は怖がってた筈なのに何故雅臣と…まさか無理矢理…?)」





2011/09/04
久し振りの更新は雅臣の誕生日その後です。
服を脱いでいたのは次の更新時に書こうと思います。
久し振りにドイツ語を使ったので合ってるかどうか曖昧です。間違ってたらすみません。
因みに雅臣は寝惚けて「おはよう、俺の愛しい人」と言ってます。


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