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赤木19

「赤木さんには私が必要ですか?」
私の質問に、赤木さんは目を細めた。
「俺はあんたがくたばったって生きていけるし、あんたも俺が消えても大丈夫だ」
わかりきったことだろ、と赤木さんは咥えていたタバコの灰を灰皿にぽとりと払う。
「…縁起でもないこと言わないで下さい」
「何言ってんだ、俺と付き合ってる時点で十分縁もないだろ」
「付き合ってる、ねえ…」
おそらく世界一その言葉が似合わないであろう人だ。付き合う? 付き合うってなんだっけ。
家にたまにふらっと訪れてご飯食べてやりたいことだけヤッてまた何処か行くようなことが付き合うってことだったっけ。
「むしろ野良猫に餌与えてるような気分ですけどね」
皮肉めいた口調で抗議してみるものの、おそらくこの人には傷一つ付けられないだろう。分かっていながら爪をたてる。
「あんたにとってはその野良猫は必要なのか?」
「飼い猫にしたいくらい」
「なら、いい」

白い猫は満足そうに笑った。


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