Index

ジョースター一行

他人と食事を共にするのって、これはこれで結構度胸のいる行為なんじゃあないかと思う。
動物が食事をする瞬間は無防備だ。欲を満たそうと躍起になる瞬間でもあるから、そんな油断めいたときに襲われてはひとたまりもない。私が未だに、はじめて会う人と向かい合ってご飯を食べるのに抵抗があるのはそういう理由もあるのかな、とか。
もちろん私は人間だし、ジョースターさんたちだって当たり前に人間だ。
もやもやした気持ちに不安と名を付けて安心を得るのと同じように明確な理由を見つくろうと適当なことを言っている気もする。
でもそうだとするなら、本来は抵抗があるはずの食事をこうして皆と囲むことが出来るのって、実はとっても幸福なことなんじゃあないかって。
私がフォークとナイフの扱いにもたつく間に、食べ盛りの空条くんと花京院が皿を空にする。ポルナレフがその次に食べ終えて、ジョースターさんが私にデザートをすすめる。皆の会話に付き合ってにやけていた私は当然一番食事を終えるのが遅いので、食べ終えた後もアヴドゥルさんは席に残って待ってくれている。
一人でご飯を食べるのはいいのに、見られるのがやっぱり恥ずかしいのは、私がまだ人間になりきれていないからだろうか。


-37-
目次



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -