―――此処は四人の青年達が仲良く暮らすマンション。 今日は休日にして、偶然にも四人全員が当日予定無しという日。 決して休みを合わせたくて合わせた訳ではない。 寧ろ四人全員が休みとなると、何かしら起こるリスクが高まる為、彼等は出来るだけ避けてきた。 そんなある日、ひょんな事から、彼等の元へ小さな天使が舞い降りるのだった。 《ミルクと心の温度は比例する》 銀時「あ〜眠ィ……」 桂「今日は早いな銀時」 銀時「違ェよ、便所ー」 早起きの桂は、何時ものように四人分の朝食を作っていた。 珍しく早起き、ではなく、トイレに起きていた銀時は、頭をガシガシと怠そうに掻きながら欠伸をし、再び自室へ向かおうとする。 と、そこへ――― (ピンポーン) 桂「ん?銀時、出てくれ」 銀時「あァ?ヤダ」 桂「ヤダじゃない。早く出ろ」 銀時「ンだよ〜……へいへーい」 (ガチャ…) 銀時「あ、」 「おはよう、銀時くん」 銀時「どーも」 銀時がドアを開けた其処に居たのは、向かいに住む、彼等がよく世話になっている女性。 にこやかに微笑む彼女の顔は、なんとも癒されるもので、銀時は眉間の皺を緩ませた。 「あの、みんな今日お休みよね?」 銀時「あー、まァ…」 「お願いがあるんだけど……」 銀時「なになに?」 美人からの頼まれ事は基本的に悪い気はしない。 銀時は微かな期待を胸に、身を乗り出した。 が、続く彼女の言葉により、その身は引くこととなる。 「今日私、急用が出来ちゃって出なきゃいけないのよ…。 ――だから、うちの子…預かってくれない…?」 銀時は思わず眠気眼を見開く。今の彼を見たら、誰も“死んだ魚目”発言はしないだろう。 銀時「――…え?」 「お願いっ!あの子が泣かないの、あなた達だけなのよ!」 . -章内- -全章- |