“サワコさんは、バスケの何がお好きですか。俺はシュートが入った時の音が大好きです。”
少しでも三回という限られた回数の中で沢山の話がしたい。
いや、ポイント買えば良いんだけど。
そんなことしたらキリが無くなってしまう。
俺は騙されないぞ。
『バスケで魅せることが好きです。』
そう返ってきた時、ふと後輩の顔が浮かんだ。
「魅せることが…か」
魅せられるバスケを出来ることは本当に凄いと思うし、してみたいとも思う。
でも、俺には出来ないってのが本音。
俺はそんなキャラじゃなければ魅せられる技術もない。
ただ、ひたすらボールを追って相手に張り付く。
それだけだった。
“魅せられるのは、本当に凄いです。俺は魅せられないし、地味なので。”
自虐みたいになってしまった。
気を悪くしないと良いんだけど…
『人には人のプレーがあるじゃないですか。自信持ってください。』
何故か、泣きたくなった。
そして、サワコさんにお礼が言いたかった。
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