「暑い」
「そうだねー」

まだカレンダーでは春の4月だっていうのに、日差しが暖かいを越して暑い。長袖を着ていたけど暑くて腕捲りをする。

「うー、課題終わった?」
「もうちょい」
「俺もー」
「終わったら古典からお願いしていい?」
「おっけー。数学その後お願いします」
「おう」

古典と数学の課題が出たから、それぞれお互い得意ということで教えあうことにした。この間は俺んちで、今日は巣山の家。

「数学終わったぞー」
「えっ!負けた〜こっちの訳はもう少し」
「ん」
「ごめんね待たせて」
「ゆっくりでいいよ。大丈夫」

ノートから顔を上げた巣山は優しく笑った。男前だと確認する度に悔しくなる。
顔が赤くなってしまったかもしれず、すぐに下を向いた。巣山が立ち上がる気配を感じる。少しだけ床が軋む音。振り向こうかとしたら、力強い何かに包まれた。

「すや」
「ん?」
「ん?じゃなくて。暑いんですけど」
「俺も暑い」
「巣山アホの子みたいなんですけど」
「アホでいい」

頑張ってる姿見てたら欲情した。そんなことを後ろから抱き締められて耳元で言われたらそれはもう。こっちだってたまったもんじゃない。

「…ばか」

訳もあと一行だっていうのに、俺はシャーペンを置いた。いいや、どうせ帝がやってきてそう言うのだったって流れだ。我慢できず振り向くと、巣山に唇を塞がれた。

「暑い」
「俺も」

暑いのに、暑いって言いながらもくっついて、次は熱くなって。バカだなって思いながら、頭がぼーっとする中で目を閉じた。

1 Doing something hot

暑くて、熱い


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