※同棲ネタです




「巣山の馬鹿あ!」
「だって、栄口傷つくと思って…」
「あ、明らか美味しくないんだから正直に言ってくれて良いよっ」
「でも」
「そっちのが楽だもん」

一緒に住み始めて一週間。
結婚は出来ない。
だってどんなに想い合っていても男同士だもん。
出来ないよね。
でも、互いに幸せなら良いって。
そうお互い思ってこうなった。
凄く凄く幸せで、柔らかい時間を過ごしてきたんだけど…
今日初めて喧嘩をしました。

「はっきり言って欲しい時だってあるよ」
「…俺は栄口が作ってくれたものだったら何でも美味いし、食べられるよ」
「無理して食べてもらう為に作ってるわけじゃないもん」
「…普段は美味いし、人間失敗だってあるじゃん」
「今日の美味しいって言われたら、普段のだって本当か分かんないよ」

巣山にご飯を作るのは、別に一緒に住み始めてからでもない。
もっと前から作ってあげてたりしていた。
その嬉しそうに食べる巣山を見るのが大好きだった。
だから作るのも大好きだったのに…

「俺は…巣山には美味しいもの食べて欲しくて毎日頑張ってる。何で分かってくれないの?」

俺は溢れてきた涙を流れる前に拭く。
巣山が喜んでくれないのなら…
本気で嬉しそうに食べてくれないのなら…

「明日から、外食にす」
「栄口」
「ー…っ」

唇に大好きな感触を覚える。
何度も大切なものみたいに触れるキス。
優しくて、温かくて…大好きな巣山のキス。

「すや、」
「御免栄口」
「?」
「俺、栄口の笑った顔が好きだから」

え?

「だから、笑顔曇らせたくなかったんだ。でもただの自己満足だった」

巣山も?
巣山も俺の表情守りたかったの?

「…」
「でもこれからは、栄口のことも満足させる感想言うな」
「…俺も、いつも満足させるような料理作るからね」
「うん」
「…巣山、好き」
「俺もだよ」

そして、温かい巣山の腕に包まれて。
一つずつ、こうやって寄り添っていこう。

「あ」
「?」
「デザートは勿論栄口な。」
「〜っっ!!…馬鹿…っ」



END



***
匿名ちゃん☆様より三万打リク
「甘甘甘巣栄 同棲ネタ」でした。
これだけ巣栄書いてきて同棲ネタ初めて…
まだまだ奥が深いですね 笑
有難うございましたっ!



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