日曜日の昼下がり、スタジオが盛り上がってるバラエティーをかけながら本を読んでいた。あまり内容が頭に入ってこない。隣には大好きな坊主がいるから、余計集中できないのかもしれない。
ソファーに座る俺の横で、同じように腰かけて長い脚を組んでいる。ちらり、と横目で見た彼の横顔は、いつも通り整っていた。

「何?」

視線に気づいた彼は、笑って尋ねてきた。

「んーん、何でも」

外はどしゃ降りでグラウンドが使えない。午前中は学校でトレーニングとかしてきたけど、午後はそのスペースを陸上部が使うそうだ。監督はすごく残念がっていたけど、たまの日曜日の午後が空いた。雨がひどいこともあり、どこにも寄らず真っ直ぐ巣山の家へお邪魔した。
家族が皆出払っていて、夜にならなきゃ帰ってこないらしい。そんなリビングで、巣山と二人。雨はやみそうにない。

「本、全然進んでないけど」
「だって、」

久しぶりの二人きりで緊張してるだなんて、そんなこと言えない。

「雨やみそうにないな」

ぷつん、とテレビが消えた。巣山が消したみたい。雨の音が強くなる。窓に目をやったら、足に温もりを感じた。

「っえ」
「眠い…貸して」
「ちょ、」

すやま、って声は彼の唇に飲まれた。膝枕して、少し起き上がって俺の首に腕を回して…そのままキスされた。恥ずかしい。

「おやすみ」

真っ赤になっているであろう俺の顔を見て、満足げにまた俺の膝に頭を預けた巣山の額に、ひとつキスを落とした。



***
イチャイチャ。雨の日に、イチャイチャ。


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