「…宗ー」
「だめ」
「なー」
「だめ」
「…」
「…だめ」

宗は雑誌から目を逸らさない。俺はクッションに顔を埋めた。クッションからは宗の匂いがする。

「…なんで」

久しぶりに会えたんだからどっか遊びに行きたいって言う俺にひたすら「だめ」と繰り返すイケメンは、俺の問いにようやく顔を上げた。その顔は珍しく少し不機嫌そうだ。え、俺何かしたっけ!?

「栄治」

宗の声、好きだ。
優しげな低い声。名前呼ばれるとドキッとする。何年一緒にいんだよって感じだけど。

「…久しぶりに、会えたんだよ」
「う、うん」
「俺は、二人で一緒にいたい」
「!」
「…どっかに出掛けちゃったら、こんなこともできないでしょ」

ちゅ、と額に唇が触れた。

「…」

キスされた額を手で押さえながら宗を睨んでみたけど、「真っ赤な顔で睨まれても逆効果だよ」って言いながら微笑まれた。

「…じゃあ良いよ」
「ん?」
「嫌っていうほどくっついてやっかんな」
「…大歓迎」

宗は嬉しそうに微笑んだ。



***
6月9日は神沢の日!
ということで書いちゃいました。何だかんだめちゃくちゃ大好きです。
結構大人な感じになってしまうのも多いんですが今回はただのラブラブです。しあわせー




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