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黒猫と佐助


やっと一日が終わった。佐助は電車の中で息をついた。
今日は朝から大学に拘束されていたため心も身体もくたくたに疲れていた。今にも倒れてしまいそうな身体を引きずり電車に乗り込んだと思ったら高校生たちの帰宅ラッシュと被ってしまった。座席に薄っぺらく、中身が少ない鞄を置くマナーの悪い男子高校生や大きな声で友達と騒ぐ女子高生。かわいさの欠片のない声に無意識にしわがよってしまった。
苛立つ心を抑えつつ、早く最寄駅についてくれることを願った。

佐助が住んでいる町は小さな田舎町だ。人口はそれなりにいるが、対して特徴もなにもない山に近い町だった。
最近この町に住宅地が大量に作られ、2階建ての小さなマンションも大量に作られた。佐助が通う大学から3駅分行ったところで、マンションは新築の割には家賃が安い。そこに惹かれて佐助は田舎町へと引っ越ししたのだ。
電車が最寄駅に到着し、ホームに降りて一息。ホームにいる高校生の波をかいくぐって駅員に定期を見せて足早に駅を去った。田舎駅だから改札なんていう機械的なものはない。切符は駅に駐在しているおばさんに目的の駅名を告げて機械で切符を発行する。都会にあるような切符販売機のようなものは存在しない。

(内容etc)
小さな田舎町に住む佐助は黒猫を拾った。現代、大学生設定。




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