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こいこがれて恋歌


・ライラック

春の暖かな風が佐助に可愛らしい葉を運んだ。ピタリと頬についた葉を剥がしてそれを見るとその葉はハート形をしていた。しばし見つめてから佐助はあることを思いついた。
「ねえ伊達ちゃん!」
佐助は自分の前にいる政宗を呼び止めた。政宗はめんどうくさそうに振り返って何だ、と一言呟いた。佐助は笑って先ほど自分の頬についたハート形の葉を渡した。
「はい!これ、俺様から伊達ちゃんへの愛だよ!」
「……落ちたやつか?これ。」
「違うよ。俺様の頬にくっついてきたやつ」
「なら、なおさらいらねえよ。ばっちい。」
「ちょっと!ばっちいってどういう…先に行かないでよ伊達ちゃん!」
渡されたものを捨てて先に歩き出すと後ろで佐助が騒がしく叫んだ。政宗の冷たい言葉に反論しようとするが、遠くなる距離に慌てて佐助は走って政宗を追いかける。政宗の隣に追いつくと政宗は嫌そうな顔をするが佐助は笑ってそれを流した。そのまま流れるように政宗の手を取ると政宗は調子に乗るなと佐助のふくらはぎを思い切り蹴り上げた。

政宗と佐助は学科が違うため大学に来ても昼以外で会うことは少ない。だが、一つだけ共通の授業を受けていた。それはとても幸せな時間でもある。



・ブルーレースフラワー

大学生になったと同時に一人暮らしを始めた。付き合うようになってからは片方の部屋に入り浸ることが多くなった。今日も佐助は自分の部屋ではなく恋人の部屋に入り浸る。
今政宗は入浴中で、先に済ませた佐助は少し大きめのベッドに身体を沈ませた。(ベッドは二人で寝ても大丈夫な大きさだ。広めのベッドじゃないと政宗は寝付けないらしい)今日はよほど疲れたのか政宗が風呂から上がる前に寝てしまいそうだった。
最近、よく見る夢がある。とても切なくて、苦しくて、悲しい夢だ。その夢を見ると魘されるようだ。前に幸村から指摘された。酷く魘されていたと。その時、政宗にもバレてしまっているのではないかという疑問が出てきたが、どうやら気付いてはいないらしい。気付いているそぶりが全くないのだ。人の変化に敏感な政宗だが、気付いていないのは好都合だった。政宗に変に心配をかけたくはないのだ。
「あぁ、眠い…」
小さな声で呟くと同時に閉じかけていた瞼は完全に閉じた。

(内容etc)
花言葉でサスダテ大学生パロと戦国、高校生学パロ(転生)で伊達総受け本。

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