しあわせの味 | ナノ
しあわせの味
※AIのべりすとを使用した部分は赤色。出力にあたり表現に一部加筆修正を加えている。

「お腹すいた……」力無いマイレの言葉が虚空に響いた。
 アポロと人探しの仕事に明け暮れ、一件落着したのが日が傾き始めた頃。それから報告書に追われ、全ての業務を終えた頃には街中の店の殆どが既に閉店の看板をドアにかけている時間だった。
 とはいえ夜が稼ぎ時のバーは賑やかなはず。注文する酒と料理のことを考えながらアポロと連れ立って探偵事務所の近くのバーに向かい、「臨時休業」の張り紙と共に固く閉ざされたドアを目にして思わずマイレは膝から崩れ落ちてしまった。
「マイレ君、大丈夫かね!?」
「大丈夫じゃないと思います」
 差し伸べられたアポロの手を借り、頭を振りつつ立ち上がるマイレ。今週の夕飯は外食で済ませる気でいるため、冷蔵庫には殆ど食べ物が入っていない。当然スーパーも開店しておらず、遠回りして別なバーに寄る気力もない。
「家の花でも食べようかな」
 思わず口から漏れ出た言葉にアポロは目を大きくし、掴んだままの手を一層強く握りしめた。
「何を言ってるんだ!?たとえ食用でもそれじゃまたお腹が空く、僕が何か作ってあげようじゃないか」
 今度はマイレが目を大きくしてアポロの顔を見る番だった。どうやらアポロは本気らしく、そのままアポロの家で夕飯を食べる事になった。

「何が食べたい?」
「そうですね、それじゃあ……オムライスとか」
「よし!任せてくれたまえ!」
アポロはガッツポーズを作るとエプロンを身につけ、台所に立った。その背中を見ながらマイレは自分の発言を思い出して頬を赤らめていた。
(オムライスなんて子供っぽいか)
しかし目の前に置かれた黄色いふわふわした卵に包まれたチキンライスを見て、そんな考えはあっさり覆った。バターの良い香りが立ち昇り食欲を刺激する。
「いただきます!」
スプーンを手に取り早速一口食べると、甘みのあるケチャップの味が舌に広がる。半熟のトロリとした卵との相性もよく、すぐに二口目を頬張った。
「美味しいです」
「良かった。たくさんあるから遠慮なく食べたまえよ」
嬉しげに微笑むアポロを見つめているうちに、マイレの胸に温かい気持ちが広がっていく。
「アポロさんって本当になんでも出来ちゃうんですね」
「いやぁ、それほどでもないさ」
照れたように頭を掻きながら謙遜するが、実際アポロなら大抵のことはすぐに覚えてしまうだろう。自分の事のように誇らしい気分になりながら、マイレは
オムライスを口に運んでいく。
 やがてテーブルの全ての皿に乗っていたものが双方の胃袋に入った時には、笑顔で顔を合わせる二人の姿があった。
「ありがとうございます、美味しかったです!」
「気に入ってくれて良かった。自分一人なら良いんだが、他の人も食べるとなるとより張り切ってしまって……」
 そう微笑むアポロの顔は心なしか頬が紅潮しており、目線もマイレに合わせているが、顔よりも下の部分を見ているようだった。
「……相手の顔が近くにあったからだろうな」
「うん?」
若干口ごもるアポロの声はマイレの耳にはによく届かず。首を傾げる彼女にアポロはに何でもないと手を振った。


 腹も満たされ、幸せな気持ちでマイレはアポロの家を後にした。口にはまだふんわりと甘いオムライスの味が微かに残っている。アポロさんの料理は何て美味しいのだろう。親の手料理を思わせる温かさと、庶民的なバーの料理を思わせる安心感が彼の料理には詰まっていた。
「ふふっ、毎日でも食べたいな……」
 誰もいない道でふと、マイレは独り言をつぶやいた。それはまるで愛する人に告げるような声色であり、同時に普段の彼女からは想像できないような、恋に浮かされた女のような表情でもあった。
そして彼女の脳裏に一人の人物が浮かぶと同時に、その顔が真っ赤に染まっていく。
「ち、違う!私は別に、そういう意味で言った訳じゃなくて!」
誰に向けたものでも無い弁明の言葉を吐きながら、マイレは全速力で自宅へと駆けていく。その様子は完全に恋する乙女であったのだが、本人は気付いていなかった。


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AIのべりすと先生がエミュレートしやすいように書いたのでいつもと文体が(当社比で)ざっくりしている気がする。
それにしてもあまりにもキャラの特徴が忠実に反映された文章を返されて小説業を廃業しようかなとなりました。もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな。
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