ウォルターのお高い休日 ※AIのべりすとを使用した部分は赤色。 出力にあたり表現に一部加筆修正を加えている。 |
ウィンドンの街の中心部にそびえ立つ大きな百貨店の入り口でウォルターは立ちすくんでいた。日頃世話になっているバトルの師匠であり、想い人であるシノノメの誕生日が近く、彼女の誕生日プレゼントを思案しながら街中を歩き回り、気がついたら現在地に辿り着いていたのだ。 ウォルターが店に入るのを躊躇う程緊張しているのは、この百貨店が上流階級の人々が集う老舗高級百貨店だからだ。多少身なりは整えているとはいえ、平凡な一市民のウォルターと百貨店のお得意様達では雰囲気も、財力も天と地の差ほど違う。それでも、婦人用の帽子飾りやショールを購入できる程度の予算は握りしめていた。 「何でこんな場所に来たんだろう、やっぱり別な店に行こう」 入り口で出入りする貴婦人や紳士の影を暫く追い、結局ウォルターは怖気ついて百貨店から離れようとした。 その時である。 「あれ、ウォルター君がここにいるなんて珍しい」 よそ行きのドレスを身にまとった金髪の少女、オーレリアが通りかかった。 「実はシノノメさんの誕生日プレゼントを探してて……」 「そういう事だったんだ、それじゃ私も一緒に考えてあげる!」 そう言うと、彼女はまだ心の準備が決まっていないウォルターの手を引いて百貨店の中へ入っていった。 ウォルターにとって、初めての高級百貨店である。ウォルターは店内へ入るや否や辺りを見回し、目を白黒させながら固まってしまった。そんな彼を他所に、オーレリアは慣れた様子で陳列棚を見て回る。 「ねえ、こういうドレスはどうかな。東洋のものが好きなシノノメさんにピッタリだと思うけど」 無邪気な様子のオーレリアに対し、ウォルターは値段を見て渋い顔を浮かべた。 「確かに。でももう少しコンパクトなものがいいな、手袋とか、ショールとか」 「それじゃこういうのは?」 次にオーレリアが指差したのは、藍色の薄いショールだった。東洋由来の柄である松皮菱の模様が美しく、値段もウォルターの予算で購入できるものだった。 「うん、これにしようかな」 「良かった! 私も買いたいものがあるからちょっと待ってね」 二人はレジへ向かい、無事会計を終えることができた。 「今日は本当にありがとう、助かったよ」 「気にしないで。それより他の店も回ってみる?」 「いや、これだけでいいや。とても良いものを買えたよ……喜んでくれるかな」 「ウォルター君の贈り物だったら何だって喜んでくれるって!自信を持って」 ぽん、とオーレリアから背中を叩かれて励まされたウォルターは、嬉しさと共に少しだけ勇気が出た気がした。 「そういえばオーレリアの買ったものも確か……」 ウォルターはオーレリアが一緒に購入したものが、彼女があまり身につけなさそうな長手袋なのを見逃さなかった。素材や色合いも彼女のような可愛らしい顔立ちの少女より、シノノメくらいの年頃の女性に似合いそうなものに思えた。 「ふふっ、私もシノノメさんにはお世話になっているから」 微笑むオーレリアにウォルターもつられて笑顔になり、そのまま二人は手を振って別れた。 「誕生日が楽しみだなあ」 人混みの一員として通りを歩き始めたウォルターは、幸せいっぱいの表情を家に帰るまで隠すことができなかった。 - - - - - - - - - - AIが続きを書けそうな文体というのもあるが、あまり小難しい表現を使わず、30分くらいの息抜きで仕上げられる話を書きたかった。 ロンドン要素を出そうと考えた時、ハロッズの事が思い浮かんだのでそのイメージで書き上げました。 余談だけどシノノメさんの誕生日は7/31だったりする。 ←back |