遅ればせながらの1


さぎの様、相互ありがとうございます♪

佐幸(大学生)。お館様、捏造脇役が少し。

「サイト様のイラストから、(私が)自由妄想」という、素敵なご提案。

※ぬるいですが、破廉恥描写ありです。
(躍動感や色気が皆無の、かなり残念な)
(許可もらい済み)

・ストーリー性ほぼゼロ、ほとんど二人のやり取り。なのに長文
・結局いつもこんな感じだな…うちの佐幸。で、心苦しいのですが(;_;)
・でも!最後に、さぎの様の素敵絵(6枚)を転載させてもらってますので、それでお口直しできます(*^^*)

素敵絵は戦国が主なのに、現代にしてしまい本当にすみません; 破廉恥は、多分大丈夫だと思うんですが…幸村並みのピュアな方は、Uターンされて下さい。


(全6ページ)














(…っあ゙ー……眠ぃ……)



しつこく鳴るアラームを、よろよろと掴むが、


「げ!?」

セットした時刻から二時間も遅れており、佐助は慌てて飛び起きる。
バタバタと部屋を飛び出し、居間へ入ると、


「ああ、おはよう」
「れ、旦那…?」

朝食も終わったらしい幸村が、のんびり寛いでいた。
いつもは佐助が台所に立つ役なのだが、今朝は彼がやってくれていたようで。


「すまん、俺がアラームを遅らせた。昨日、遅かったんだろう?少しでも寝てもらいたくてな」
「いや…っ、違うんだよ、忘れてたわけじゃ」
「なに、この一月で俺も少しは成長したのだ。時間もまだ余裕があるし、ゆっくり食べてくれ」

と、笑って席に促す。


「ありがと…」

佐助は椅子に着き、幸村が用意してくれるのを素直に待つことにした。


佐助は大学三年、幸村はその一つ下で、二人とも同じ学校、住居も同じ。
幼い頃にこの武田家に引き取られ、なるべく金のかからぬようにと、家から通える大学に進学した。

佐助はこの一ヶ月間、実習兼アルバイト(発掘調査)で遠方へ泊まり込みで行っており、昨晩遅くに帰宅した。

そして、今日からの三連休に旅行する──という話は、バイト中に幸村から連絡をもらっていたので…
いつものように早起きし、弁当でも用意するつもりであったのだが。


「今日は、俺もそうだが、佐助も体力を使うからな。温存してもらわねばと思うて」
「んーな大げさな。旅行っても、隣県じゃん?」
「そうだが、行きのバスの中でもやることは多いぞ?飲み物を渡したり」
「あ、バスなんだ。電車かと…」
「ああ、俺が取る」

家の電話が鳴り、二、三話すと幸村はすぐ戻り、


「予定より早く集まれたようだ。今、駅を出たらしいゆえ、あと十五分くらいか?すまん佐助、用意…」
「いや、もうできてるけどさ。…駅って?」
「お館様も、一旦向こうで待機されていてな。道場の皆と、バスで」

「…え、まさか借りたとか?てか、道場?聞いてないんだけど」
「お館様が、『どうせ休みにするなら、皆で!』とな。それで、」

「でぇぇー…」

二人の引き取り手である信玄は、柔道の師範もしているのだが、そこの門下生(今回は、大学生〜社会人ばかりを集め、)たちも、連れて行こうとなったらしく。

『飲み物』というのは、イコール酒。旅館に着く前に、きっとドンチャン騒ぎになること間違いなし。
師範の息子同然の二人だが、そういった集まりの場では、下っ端の者たちと協力し、酔っ払いの面倒を見なければならない立場。

昨日までの疲労が、どっと舞い戻ってきそうな佐助だった。


「俺が主にやるから、佐助は休んでおれ。…バスの中では」
「そーさせてもらうよ。どうせ、夜の宴会で酷使されんだろうし」

はぁ、と溜め息をつくが、旅行が楽しみで仕方がない、という幸村の顔の前では、すぐに「冗談だよ」と主張する笑みに変わる。

幼い頃から抱いている、『自分の方が年上なのだから』との強い思いが、佐助をこういった性格へと作り上げてきた。


「祭りにも参加するのだぞ?ほら、昔も揃いのハッピを着て行ったよなぁ?お館様と三人で」
「あー…あっかいやつで、二人とも大はしゃぎだったよね〜」

二人というのは、幸村と信玄のことだが。


「今日もな、お前の分も揃えておるからなっ?」
「マジで?俺様、似合わないんだけどなー…、赤」

眉を下げるが、やはり楽しそうな顔には敵わない。
自分の、ハッピとねじり鉢巻の姿を思い浮かべ、口元をヒクつかせながらも、


(…ま、旦那が楽しけりゃ、別に良いか…)


と、いつものように頷いていた。















……“ お揃い ”




確かに、お揃いだ。

しかも、信玄と幸村だけでなく、道場の皆も。



見渡す限りの、赤。

見渡す限りの……







── は だ



続くのは、『色』でも『か』でも、どちらを選んでも良い。


…どちらでもあるのだから。




「うぉぉぉぉ…!お館様、お似合いでございますればぁぁぁ!!!」

「ヌァッハッハ!そうじゃろう!まだまだ若い者には負けぬわァァ!!」

「信玄様、腹出てないッスねー!あんなに飲んでらっしゃるのに」
「ホントホント。大学生二人の子持ちにゃ、全然見えないっす!」

周りの者もはやし立てると、信玄の笑い声は高さを増した。



(……似合ってっけどさ…)


ハァァ、と佐助は深々溜め息をつく。




…そう。


昼に旅館へ着き、全員に配られたのは、ハッピではなく、真っ赤な真っ赤な──…



「ふんどしって、案外そこまでじゃねーな」

「なぁ。俺、はみ出ちまったらどーしようって、ビビってたんだけどさ」
「そりゃ自慢か〜?」

男しかいない、酒も入っているしで、言いたい放題。

もちろん、幸村も佐助も彼らと同じ姿…だ。


『佐助!何を出し惜しみするか!』
『似合っておるぞ、佐助っ!』

道場で何度も聞いた師の叱咤と、幸村の無邪気に褒める言葉により、佐助の抵抗はあえなく殺された…


この土地ゆかりの祭りだが、御輿担ぎは自由参加。男性限定で、ふんどし着用。
いかにも彼らが好きそうなイベントである。

昼から街を練り歩き、行く先々で酒を頂戴するらしい。それで、昼はにぎり飯一つや、食べない者がほとんどだった。
散々汗をかいた後、旅館の温泉に入り、また宴会…の予定なのだが。


(だったら、バスでは控えろって…)


幸村は、今日はまだ飲んでいなかったが、恐らくこれから口にするのだろう。(…成人まではあともう数ヶ月であったが、周りがこの環境のため、味を覚えたのは早かった)

ただ、彼は胃も肝臓も強いので、そこまでの心配は必要ない。



「幸村さん、腰細ぇなー…。あれで俺らぶん投げるんだから、わけ分かんねーよ」
「だよなぁ。佐助さんと一つしか変わんねーのにな」

「背中も尻も、綺麗っすね〜。ツルッツル。俺のと大違い…何か、恥ずかしくなってきた」
「誰も見ねーから、安心しろ」


信玄と幸村とのやり取りを眺めながら、門下生たちの話題は尽きなかった。

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