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「お疲れさまでした〜」

「お疲れさまでした」

「新城君、お疲れさま。まだ観ていくのか?」

「はい、もう少しだけ」

「あんまり無理したらダメだからな」

「はい、気をつけます!」


 教授も帰っていく中、私はまだ顕微鏡で細胞の動きを見つめる。
 今日も元気に動いて……ホントに可愛いなぁ。


「新城、俺も帰るわ」

「えっ、帰っちゃうの!?」

「俺、このあとバイトだから」

「そっか……。気をつけて帰ってね!」

「おう。じゃあな」


 大概はバイトのシフトで帰っていく、私は実家暮らしで家も近いとあり、他よりは時間を取られることはない。
 みんな、大変なんだなぁ……結は本当にがんばってるよね……。
 尊敬しちゃうよ。


「──ん〜! そろそろ帰ろっかなぁ……」


 いつまでも遅いと心配するし……。

 座りっぱなしだったので重い腰を持ち上げようとすると、ポケットに入れていたスマホが震えた。
 見ると、結からだった。


「『今日も会いにこないの?』か……」


 今日は遅いし……やめておこう。
 そのまま文面として返し、せっかく持ち上げた腰を戻した。

 でも、会いたいよぉ……立花さん……。

 そう思ったら急に切なくなってきて……無意識に手が自分の体を抱きすくめていた。

 だめ……だけど、今は人いないし……いいよね……。


「んっ……」


 大きいと誇れるものでもない胸を揉みしだく。
 こうして会えない日には立花さんを思い出してしまい、切なくなると自分を慰めてしまう癖が定着しつつある。


「立花っ、さん……」


 立花さんはどんなふうに触ってくれるかな……立花さんはどんな表情してくれるのかな……。

 立花さんのことを考えれば考えるほどに勝手に盛り上がっていって、いつの間にか脚を広げて指を差し抜きする。


「あっ、あぁっ……あぁっ」


 ビククンッと体は大きな波を受け止めた。


「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」


 研究室でひとりエッチ、しちゃった……。
 恥ずかしさとなぜか達成感が込み上げてきて、私は急いでティッシュで手を拭く。
 早く帰ろ……。

 すると、今度は電話がかかってきた。
 アプリの無料通話からで、相手は──


「立花さん!?」


 なんで立花さんから──!?

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