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｢立花──さん……｣
｢ん？ どうしたの？｣
｢わたし……私──｣
立花さん、そんなつもりで抱いたんじゃないとか言うのかな……でも、でも──このまま何も言えないよりはずっとマシなはずだ。
｢私……立花さんのことが、好きです……！｣
｢うん｣
｢だから、付き合ってくだ……さい……！｣
｢うん｣
｢………………え？｣
あれ？
うん……うん……それで、終わり？
あまりにも呆気ない返事に呆然としたのちに訊き返してしまった。
｢あの、うん……とは？｣
｢うん？ だから、いいよって言う意味の『うん』だよ？｣
｢え……えぇぇえええっ!?｣
｢はははっ、すごい驚きよう｣
｢だ、だってだってあまりにも呆気なくて……！｣
｢あのね、新城さん。俺が『練習台になってあげる』なんて言うほど優しい男だと思った？｣
｢え？｣
｢そんなの、下心があったから言ったんだよ？｣
｢え｣
｢それに、新城さんの態度見てれば俺のことが好きなんだなってことは簡単に判るよ？｣
｢え、え｣
｢だから、ちょっと露骨な態度取ってみたりしたのに……全然気がついてくれなくて｣
｢え、え、え｣
｢そしたら……どんどん意地悪したくなっちゃったんだけどなぁ｣
｢あ、あの？｣
｢知ってた？ 俺、こう見えて……ちょっとＳっ気があるんだよ？ 新城さんのこと見てたら、つい意地悪しちゃうんだよ｣
｢え、Ｓ……？｣
ただただ困惑するしかない私に、立花さんはとびっきりの笑顔を向けて囁いた。
｢俺も……好きだよ、絢未｣
｢え……！｣
｢焦らされたぶん、いっぱいエッチなことしてあげるね……覚悟しててね｣
チュッ──唇にキスを落とされた私は、その場で失神したのだった……。