気持ちの答え 1/4
気が付いたら眠っていて、ふと目が覚めた。
どのくらい眠っていたのだろうと何となく考えていると、ドアノブの回る音が聞こえた。
飛び起きてドアの方を見れば、そこには中也さんが立っている。
『あ、中也さん。おはようございます!』
咄嗟に笑顔を浮かべてみたけれど、ひきつっていないだろうか。
眠る前に彼の事を考えていたせいで、ドキドキしてしまう。
妙な緊張感があって、少し顔が熱い。
「麗南。」
『は、はい。』
「お前、熱とか無えよな。」
『な、無いです、無いです。私、風邪とかあんまり引かないし!』
「そうか?ま、無理はするなよ。」
『は、はい!』
中也さんは私の隣に腰を下ろすと、足を組んで背もたれに背中を預けた。
ドキドキは止まること無く、むしろさらに速まっていく。
私は中也さんの事が好きかもしれない。
この気持ちは、恋かもしれない。
それに気付いてしまった。
だから中也さんの顔を見れない。
目を見て話すとか、今の私にはとてもじゃないけど恥ずかしくて難しい。
目が回りそうだ。
「、……、麗南。」
『え?あ、はい!何ですか?』
「本当に大丈夫か?任務中にそんなんじゃ死ぬぜ?」
『ご、ごめんなさい……。』
こんなふわふわした気持ちは邪魔になるだけなのだろうか。
今までいわゆる下っ端だった私が、幹部である中也さんの隣に居ること自体、すごいことなのだ。
なのに、この立ち位置にいれるだけじゃ満足出来ないだなんて、どこまで私は欲深いのだろう。
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