もしも君が
綱海条介→←立向居勇気


この戦いに終わりがあって、いつか別れる時がくるのはわかっていた。
だから、俺は2つ選択肢を用意する事にしたんだ。

だって――…




……………


雷門中に戻る途中でこれからの話になったとき、俺は酷く逃げ出したい気分だった。
けれど、もちろんそんなことは出来なくて。
この旅の終わりが、みんなと、立向居と別れる時が、すぐそこまで来ているんだということを改めて目の前に突きつけられただけだった。

それでも不幸中の幸いというか、先に立向居に話が振られたおかげで俺は用意していた選択肢のどちらかを選ぶ事が出来たのだけれど。


「オレは…」

「!!」

一瞬――本当に一瞬だけど、立向居がこちらを見たような気がして、僅かに肩を揺らしてしまい、急いで元に戻す。

「オレは、帰ります」

「っ」

気が抜けていたせいで動揺して前に倒れそうになったけれど、立向居の頭に手を置くフリでなんとか誤魔化して。
震えそうになる声に心の中で活を入れて、俺も帰ると言った。
そろそろ海が恋しいしな、なんて付け加えて、笑いたくなんかないのに、(離れたくなんかないのに)無理やり口角を上げて笑顔を作る。
視界の端っこで、立向居が酷く泣きそうな、何かを決めたような顔をしていた。





≪もしも君が≫





残ると言うのなら、今夜この気持ちを伝えようの思っていたのに。






(伝えない代わりに、そんな顔をした理由を聞いてもいいだろか?)



Fin.






こんにちは!水恋です^^*

今回は63話のシーンから妄想したネタで書きました。
どっちかっていうと綱→←立でシリアスなのですけれど…
あ、あえてのスルーでお願いします(^p^)←


お互いに好き合ってるのに別れるこの痛さというかもどかしさというか…
そんな感じが伝わっていたらいいな、と思います^^

このお話はたちむーバージョンもあるので、早めにアップしたいと思います><
まさかの続き物にはしない予定ですが。←←


「手を〜」シリーズも早めに書き上げたいと思います。
しばしお待ちを…^^;


ここまでお読み下さってありがとうございました!


※無断転載厳禁
20100108



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