「寂しいものだな、」
「えっ、何々?俺のこと良く思ってくれてた?」
意外ー!っと小バカにする形で言うマトリクスさえ、今は愛しく思う
「ライバルが居なくなるって、寂しいものさ」
そんなマトリクスに
俺も笑みで応えながら、
今度は俺が彼のグラスに
酒を注いでやる
「ありがとう」
ぽつり、そう小さく呟いたマトリクスの言葉。
酒を注いだことか、
それとも俺の言葉に対してか、
どちらに対してかは判らない。
それでも俺は頷く
誰もが寝ている、
どっぷり夜中のバー。
もう彼が星へ帰る
タイムリミットは迫っている。
その時間の限られた中で、
俺は、一人の人間を愛した
最高にライバルで最高の友と、
最後の杯を交わす
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