昼食を取りながら、シンドバッドは自分の過去についてユリアに話す。
『それで?』
「俺はバアルの力を賭け、ドラコーンと戦った」
『へぇー』
ユリアは昼食をとることも忘れ、目を輝かせながらシンドバッドの話に聴き入る。
好奇心旺盛なユリアにとって、シンドバッドの冒険の話はあまりにも楽しく心を踊らされるものだった。
「シン、いつまで昼食を取って…」
『ジャーファル!ちょうどいいところに』
「珍しいですね、二人揃って昼食なんて」
『たまにはいいでしょ。それより、今日一日シンドバッドを借りるわね』
「はい?」
「別に今日仕事を片付けなきゃならない理由はないだろう?」
『明日私も手伝うから!』
初めてキラキラと目を輝かせるユリアを見たジャーファルは、首を縦に振らざるを得ない空気に眉間にシワを寄せる。
「…今日だけですよ」
『ありがとうジャーファル!』
ジャーファルはやれやれと首を振って食堂を後にし、シンドバッドは再び話を始めた。
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