白状-2

かごめちゃんと七宝ちゃんが寝袋で寝静まった頃。
焚き火を見つめていた私は、空を見上げている犬夜叉さまに小声で訊ねた。

『眠れませんか?』
「そういうお前は平気なのかよ。」
『はい。』

正体を明かした今、私に対する犬夜叉さまの警戒心は解かれたように思える。
けれど、私は依然として人間の振りをしたままだ。
妖気を解放した姿は、殺生丸さまにさえ見せた事がない。

『早く手元に戻ればいいですね…鉄砕牙。』
「刀々斎のじじい、ちゃんと打ち直してんだろーな…。」
『きっともうすぐ持って来てくださいますよ。
私が番をしていますから、眠ってください。』
「花怜さまの言う通りですよ、犬夜叉。
少しは眠ったら如何です。」
「弥勒…。」

弥勒さまが起きていた。
その理由を、私は既に察していた。
袴の中にしまってある柄に手を触れ、嫌な気配の先を見つめた。
此方に近付いているけれど、如何か道を外れて欲しい。
人間の犬夜叉さまは気付いていないらしい。

「けっ、ほっといてくれ。
俺は人の姿をしてる時に、眠った事はないんでい。」
「怖くて眠れんのか?」

犬夜叉さまと弥勒さまの会話を聞きながら、私は立ち上がった。
すると、横になっていた珊瑚ちゃんが言った。

「花怜ちゃん、気付いてたんだね。」
『はい。』

犬夜叉さまはその意味を理解していない様子だった。
珊瑚ちゃんと弥勒さまが周囲を警戒しながら言った。

「酷い邪気だ。」
「近いですな。」

邪気という言葉に反応した犬夜叉さまが立ち上がったけれど、今の状態の犬夜叉さまでは戦えない。
人間の姿で、更に丸腰では勝ち目はない。
そしてついに、邪気の根源が姿を現した。



2018.4.21




page 2/2

[ backtop ]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -