雪女の捜索-2

雅の安否の手がかりを探す為、二組は分かれて行動する事にした。
不死コンビは砂漠の中心部にあるという現場へ向かった。
一方、芸術コンビは風遁使いの一族が住んでいたという集落を訪れていた。
ゼツによると、つい最近焼け落ちたらしい。
二人は木屑の焦げ臭い中を慎重に歩いた。
元がどのような集落だったのか、想像出来ない程の荒地と化していた。

「誰もいねえな、うん」
「気を抜くなよ」

雅が死ぬ筈がない。
デイダラを無傷で半殺しにする実力者の雅が、簡単に殺られる筈がないのだ。

「デイダラ」
「何だい、旦那」
「見ろ」

焼け落ちずに残った木の幹に、不自然な一本線がある。
明らかに人為的に付けられた跡だ。
更に二人は別の木にもそれがあるのを発見した。
それは森の中の木に一定の間隔で直線上に付けられていた。
それを途切れるまで追うと、角都たちが向かった砂漠の方向へと繋がっていた。

「目印だな、うん」
「集落を訪れる誰かに助けを求めたのかもしれねえな」

とりあえず、一通りの予想は出来た。
此処に住んでいた一族は何者かに襲われ、連行される際に密かに跡を付けたのだ。
誰かに助けを求める為に。
この一本線は風遁による風の刃かもしれない。
サソリはヒルコを引きずり、集落の跡地に戻りながら言った。

「もし仮にこの目印を雅が見つけて追ったとしても、あの砂漠には死体があった。
つまり、雅は一族の救出に失敗したかもしれねえな」
「砂漠で死んでたのは三人だけだろ。
雅の事だし、他の奴らを助け出したかもしれねえぞ、うん」

助け出したと言っても、上手くは助けられなかっただろう。
実際に三人が犠牲になっているし、大量の血痕も気になる。
もしかすると、雅が砂漠の地点に到着した際には、既に一族全員が皆殺しにされていた可能性もあるのだ。
デイダラは快晴の空を見上げて言った。

「雅は絶対に生きてる」
「随分と大それた自信だな」
「オイラの女だからな」

雅、何処にいるんだ?



2018.5.9




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