01



「凛!あんな…」
「凛!今日な…」
「凛!」


弟が…
私から離れなくなってしまった…。


「あらあら…雅治は凛が帰ってきてからから離れないわね〜」
「雅治ももう中学生になるんだから…」
「ふふふ、いいじゃないの!姉弟は仲がいい方がいいでしょ!」
「そうじゃそうじゃ!俺は凛を離さん!」
『もしかしてまだ根に持ってたの?勝手に行ったこと』
「俺は忘れんきに!俺が寝とる間に行って…どれだけ寂しかったか!」


あぁ…
あれは私も大変だったよ。
飛行機降りたら着信メール共に恐ろしい数だったからね…


「あ、そうそう!凛は立海でよかったわよね?」
『立海?…ごめん、わかんないや』
「テニスが強いとこなり」
『へぇー』
「反応が薄いわねーテニスのことなのに!」
『あたし日本ではやるつもりないからねー』
「狽ネんじゃと」
『中学女子テニス界なんて私には合わないもの』


これは事実。
だって私のせいで若い芽を摘んだなんてこと嫌だし。


「[神の手を持つ舞姫]だものねー凛は」
『それ好きじゃないんだけど…』
「凛のその名前はこっちでも知らんやつはおらんからの。」
「性別、歳、出身まで不明なのが更に輪をかけてな」
「でも、それで凛の名前使うニセモノが出てきた時はうちは大荒れだったなり。」
『はぁぁぁ…』


[神の手を持つ舞姫・Rin]だなんて大層な通り名つけてくれちゃって。
プライバシーってのがあるから色んな格好して性別わかんなくしてインタビューにも答えなかっただけなのにね。
それにニセモノ騒動まであったとは…。
本人のあたしでさえ知らなかったよ(笑)
きっと景吾が気を遣って教えなかったんだろうけど。



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