校門前にはリーゼントのお兄さん方が大量に湧いていました。
ん、そう言いたくなる状態でした。
唯一に近い、黒髪で普通の髪型のお兄さんはめたくたカッコ良かったです。
どっからどう見ても雲雀さんですが!
本当に、あれは眼の保養になるわ。
傍から……離れた場所からそっと見ていたいものだ。
さっきからお兄さんって言ってるけれど、年上って意味じゃなくて、わっかい兄ちゃんやな、みたいな意味合いですよ、これは。
ま、風紀委員の人たちは、私より年上じゃないですか? と言いたくなるような老け顔が多いですけどね。
高校生には見えねぇだろ、っていう風紀委員たちの風紀チェックを素通りし(いや、引っかかりませんって、流石に)玄関へと辿り着いた。
ここで問題発生です、自分の靴箱どれー!?
いやいや、名前でも書いてあったら助かるなぁ……もし、無くても出席番号でもあったら、と思ったんだけど、どうやら靴箱の通し番号しか無い。
それでもクラスだけは書いてあったので、その2年B組の靴箱の辺りに辿り着いた。
さて、どうするか……
「ボサッとしてたら遅刻取られるよ!」
靴箱の前に立って靴を取り出そうとしていた女の子がこちらに向かって隣の靴箱から上履きを投げるように取り出して渡してくれた。
うわぁ、助かります!
どこ? とか困っていた私にとっては、すっごくすっごく助かります!
「履いた? 走るよ!」
目の前を走る彼女を追いかけて教室へと入れたのだった。
誰だか知りませんが、本当にありがとうございます!
そのまま付いていけば、席通り過ぎてるけど、どうしたの? と席の場所まで教えてくれたよ!
本当に、素敵解説キャラ!(違っ!)
まぁ、それは冗談にしても、本当に助かったなぁ……
席に大人しく座り、鞄から教科書を机に移しながら周りをさりげなくチェックした。
雲雀さんが居た時点で、覚悟の欠片くらいはしていたけれど、ボンゴレ勢、全員同じクラスですか、そうですか……
絶対関わりたくねぇ!!
そう叫びたくなる気持ちを抑え、手元の教科書を開いた。
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