イタリアに戻ってきた。
 母さんは淡々と仕事をし始めたし、オレはオレで少しずつ仕事を再開し始めた。
 表に出るような仕事じゃないから、別に大きな支障も無いからな。

 でも、確かマンガだと、あの保険医が取り上げたとか何とか言ってたっけ……とりあえず、赤ん坊の姿の戸籍云々用意できるだろ、そいつなら。
 用意しないと、原作沿いの日本に行く件とか困るだろうしな。

 そう思って、名前すら分からない人物を探すのに結構な時間がかかった。
 女好きで二千股だかしてたんだよな?
 それくらいの記憶しか無い状態で見つけれた方が凄いだろう。

 ようやく見つけた。

 見つけたのが、母さんをナンパしていた所だってのはどうなんだ……
 いや、まぁ、その連絡先を握り潰そうとしている母さんから譲り受けて、連絡取ってみることにしたよ。
 でも、いきなり頼んでも困るだろうし、先に交流を少しずつ深めてみた。
 逃げるのを手伝ったり、暗殺を依頼してみたり、な。

 少し関係が深まった頃に実際に会ったら向こうはビックリしてたな。
 そろそろ《アルコバレーノ》の噂も流れ始めてただろうに、あそこまで驚いたってことはまだ知らなかったのだろう。
 それをいい機会に、新しく生まれ変わったつもりで、とか何とか言って、経歴削除とか頼んだ。

 依頼は完璧、そんなシャマルのおかげで新生ナギサ様が誕生したわけだ。

 ……正直すまんかった、ふざけて。
 でも、まぁ、知ってる奴は知ってるが、アルコバレーノのナギサとして生きていくことにしたんだ。
 今も母さんに振り回されてるのは、何も変わらないけどな……


 まぁ、こうしてマンガと同様にキャバッローネの次代ボスの教育を頼まれるなどの道をちゃくちゃくとオレは進んでいくのだった。


fin.



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