雨ざらし


懐かしい色を孕む
風が白い頬を
滑り抜ける

誰かに想いを紡ぎ
与えていた皮膚も
削げ落ちて

今ここに在るあなたを
憎らしいと云うならば
私の聲は何物をも
越えて伝うだろうか?
応えるものは何もない
空が黒く 黒く堕ちるだけ


剥がして
剥き出しの言の葉よ
地に波紋を生んで
私の姿を歪めて

壊して
降りしきる声の矢よ
整った顔の人々を
射貫きまた象って



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